-

がん治療:AOPヘルス、がん幹細胞を標的とした新たなアプローチを研究

ウィーン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- AOP Orphan Pharmaceuticals GmbH(AOPヘルス)はLeukos Biotechと連携し、重要な節目に到達しました。新規かつユニークな作用機序(ファースト・イン・クラス)を持つ物質について調査するため、第I相臨床試験SERONCO-1に最初の患者が組み入れられました。候補となる薬剤は、充実性腫瘍やリンパ腫の患者を対象に研究が行われます。この開発プログラムでは、がん幹細胞を標的とした薬剤の提供において実績のあるAOPヘルスの成功を基盤として、未だ満たされていない患者の医療ニーズに応えることを目的としています。

見込みのある標的に焦点をあてる

この新たな化合物AOP208は、がん幹細胞の表面にあるセロトニン受容体1B(病気の根本的原因を治療する上で極めて重要な役割を果たしている可能性がある)タンパク質を標的にしてブロックする物質です。投与経路は経口で、ジョセップ・カレラス白血病研究所での研究に基づいてLeukos Biotechにより設計・開発されました。

Leukos Biotechの最高科学責任者であるルース・リセーニョ氏は、「私たちは腫瘍の発生と維持の原因となるがん幹細胞を攻撃する新しい方法を見つけたいと考えました。これまでの研究では、セロトニン受容体がこのプロセスにおいて重要な役割を果たしていることが明らかになりました。しかし、この受容体をブロックできる適切な分子が存在していなかったため、私たちは新たな分子を開発しました。そして今、臨床試験を開始し、この化合物を次のレベルに進展させられることを大変喜ばしく感じています」と説明しています。

AOPヘルスはAOP208のライセンスを取得しており、米国、ヨーロッパ、韓国、台湾をはじめとする全世界(中国本土を除く)において独占的な商業的権利とさらなる開発権を保有しています。

一人目の患者がAOP208の治療を受ける

AOP208のヒトを対象とした臨床試験であるSERONCO-1では、充実性腫瘍(転移性がんを含む)やリンパ腫の患者の登録が開始され、世界で初めての患者が治療を受けました。イレーネ・ブラナ医師が主導するこの単一施設試験は、ヴァル・デ・ウロン腫瘍学研究所(VHIO)にて、Leukos Biotechとの共同研究という形で、スペイン科学技術省の官民パートナーシッププログラム(CPP2021-008715)から一部資金援助を受けて実施されています。

本試験において最初の患者にAOP208が投与されましたが、この薬剤の安全性と忍容性について理解するための大きな一歩であるといえます。また、SERONCO-1試験では、腫瘍の増殖に関するAOP208の活性についても調査することになります。

AOPヘルスの最高科学責任者であるクリストフ・クラデ氏は、「がん治療の新たなアプローチに関する研究が切実に必要とされている」と強調します。そして、「AOP208は、これまでがん治療の中心ではなかったがん幹細胞上の受容体を標的としており、がん領域ではファースト・イン・クラスの開発候補薬といえます。この経路は、いくつかの種類の白血病に効果が期待されますが、この他にも、乳がんや肺がんをはじめとするさまざまな充実性がんにも効果を発揮する可能性があります」と述べています。

SERONCO-1試験を補完するものとして、AOPヘルスは急性骨髄性白血病患者を対象に、AOP208の2つ目の臨床試験を実施する予定です。急性骨髄性白血病は、現在、予後が非常に悪いとされている癌です。

AOPヘルスのCEOであるマーティン・シュタインハートは、「当社は、希少疾患における患者の未充足ニーズに対するソリューションを創出するというAOPヘルスの設立理念に全力で取り組んでいます。この理念に対する私たちの真剣な想いは、年間2500万ユーロを研究開発に投資していることからも明らかです」と結論づけています。

AOPヘルスについて

AOPヘルスグループはオーストリアのウィーンに本社を置くAOP Orphan Pharmaceuticals GmbH(「AOPヘルス」)を含む複数の会社で構成されています。AOPヘルスグループは、希少疾患と救命救急診療の統合治療におけるヨーロッパの草分けです。過去25年間で、AOPヘルスグループは、ウィーン本社、ヨーロッパおよび中東の子会社および駐在員事務所、そして世界中のパートナーを通じて、統合治療ソリューションのプロバイダーとして確立しました。「ニーズ、科学、信頼」の主張に、当グループの成功の基盤が集約されています。当グループは研究開発への継続的な高水準の投資、そしてあらゆるステークホルダー(特に患者やその家族、患者を治療する医療従事者)のニーズに、絶えず実際に向き合うことで信頼を築いています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

Contacts

More News From AOP Orphan Pharmaceuticals GmbH

BESREMi®(ロペグインターフェロン a-2b)に関する仲裁手続において、ICC仲裁裁判所がAOPヘルスに有利な判決を下す

ウィーン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 国際商業会議所(ICC)の支援のもと設置された仲裁裁判所は、PharmaEssentia Corp.(ファーマエッセンシア)とAOP Orphan Pharmaceuticals GmbH(AOPヘルス)間の紛争において、AOPヘルスに有利な部分的最終裁定を下しました。本件の争点の中心は、両当事者間のライセンス契約をめぐる紛争から生じた相互の損害賠償請求でした。 係争中の製品 本件の紛争は、2019年に発売された「ロペグインターフェロン a-2」という物質が争点となっていました。AOPヘルスは、包括的な臨床試験プログラムを通じて、特に真性多血症を対象とした希少血液がんの革新的な治療薬(ベスレミ、BESREMi®)として同物質を開発しました。これにより、BESREMi®はこの適応症において最も臨床試験が行われたインターフェロンとなっており、主要な関連ガイドラインにもその実績が記録されています1。AOPヘルスは、2009年にファーマエッセンシアからBESREMi®の開発および欧州、独立国家共同体(CIS)、中東市場で...

米国FDA、AOPヘルスのRapiblykTM(ランジオロール)を救命救急における心房細動および心房粗動の治療薬として承認

ウィーン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オーストリア・ウィーンを拠点とするAOP Orphan Pharmaceuticals GmbH(AOPヘルス)は、米国食品医薬品局(FDA)から、救命救急医療環境における重篤な心疾患である上室性頻拍(心房細動および心房粗動)の治療薬としてRapiblykTM(ランジオロール)の規制当局による承認を発表しました。本承認は、RapiblykTM(ランジオロール)が血圧を最小限に抑えつつ迅速に心拍数を管理できることを示した臨床試験に基づいています。この承認により、米国の患者に新たな治療選択肢が提供されるとともに、希少疾患や救命救急医療への貢献を目指すAOPヘルスにとって、初めて米国市場に進出する重要な一歩となります。 本承認は、5件のランダム化二重盲検プラセボ対照試験のデータに基づいたものです。計317名の上室性頻拍患者がランジオロールで治療され、治療後約10分以内に心拍数が40~90%の患者で低下したのに対し、プラセボ群では0~11%でした。心拍数の低下は、心拍数が20%以上低下するか、100bpm未満になるか、ま...

血液学/腫瘍学:AOPヘルスの拡大する臨床研究プログラムで新たな結果が判明

ウィーン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- AOP Orphan Pharmaceuticals GmbH (AOPヘルス)は、血液学/腫瘍学における臨床研究プログラムの成功を続けており、スペインのマドリード開催の欧州血液学会(EHA)2024ハイブリッド会議での発表に向けた、2つの抄録が受容されています。1つは、PROUD-PVおよびCONTINUATION-PV試験の最新結果の口頭発表となっています。その結果では、特定のインターフェロン(ロペグインターフェロンα-2b/BESREMi®)または最良の利用可能な処置を受けた希少血液癌(真性多血症/PV)の患者における、遺伝子レベル(分子遺伝学的奏効)及び無イベント生存期間(EFS)における変化の相関を示しています。1 2番目に承認された抄録は、近日AOPヘルスが開始しロペグインターフェロンα-2bの研究を別の稀な血液がん、本態性血小板血症(ET)の患者に拡張した、第III相臨床試験ついての報告です。2革新的な研究へのAOPヘルスのコミットメントのさらなるシグナルとして、ファースト・イン・クラスの研究用腫瘍...
Back to Newsroom