TrendForceの調査によって、中国が第3四半期に世界のEVトラクション・インバータ設置量の61%を占める一方、ヨーロッパでは回復に向けた改革を推進していることが明らかに

台湾、台北--(BUSINESS WIRE)--（ビジネスワイヤ） -- TrendForceの最新調査によれば、2024年第3・四半期における世界のEVトラクション・インバータの出荷台数は687万台に達し、前四半期比で7%の増加を示しました。しかし、この成長率は前年同期と比較すると鈍化しています。セグメント別では、PHEV（プラグイン・ハイブリッド車）用トラクション・インバータの出荷が16%増加し、すべてのパワートレイン・タイプの中で最も高い成長率を記録しましたが、前四半期の35%増加からは減少しています。

SiCインバータの普及率は前四半期比でわずかに1%増加しましたが、前年比では2%減少しました。特に、中国は世界のSiCインバータ設置の約65%を占めています。これらのインバータの中核部品であるパワーモジュールは依然として国際的な半導体企業が支配していますが、中国のローカリゼーション政策によって国内メーカーの技術革新が推進されており、将来的には世界的な企業の優位性に対抗することが見込まれています。

Tier 1サプライヤーの中で、BYDは車両モデルの好調な販売により、トラクション・インバータ設置の市場シェアを前四半期比で1%増加させ、18%に達しました。これにより、日本のデンソーを初めて上回り、世界トップの座を獲得しました。一方、Inovanceの市場シェアは6%に上昇し、同分野における中国メーカーの競争力が高まりを見せています。全体として、中国、日本、Teslaが世界の設置量の半分を占めており、欧米メーカーの影響力は引き続き低下しています。

TrendForceは、トラクション・インバータ市場における地域間の格差が拡大していることを指摘しています。第3・四半期において、中国の設置台数は国内需要の安定により世界全体の61%を占めました。一方、ヨーロッパは市場の縮小に直面しており、コスト削減とEVサプライチェーンの競争力強化を目指して、積極的な改革を進めています。

短期的には、中国からの安定した需要がトラクション・インバータ市場の成長を支えると予想されています。また長期間にかけては、ヨーロッパの自動車サプライチェーン改革が成功すれば、世界のトラクション・インバータ設置台数およびEV市場全体の活性化につながる可能性があります。

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