オアシスは小林製薬に新たな社外取締役及び紅麴事件の外部の調査者を選任するべく、臨時株主総会の開催を求める

(証券コード:4967 JT)

* オアシスは、高い見識、独立性、多様性を有する3名の独立社外取締役の選任を提案
* 同時に、紅麴事件の更なる調査を要請するべく調査者の選任を提案
* オアシスは、小林製薬の株主の皆様に対しオアシスの株主提案へ賛成票を投じるよう要請
* オアシスは、小林製薬の商品による健康被害の再発を防止するために小林製薬のコーポレートガバナンスの改善を目指す

詳細はwww.KobayashiCorpGov.comでご確認ください。

香港--()--(ビジネスワイヤ) -- オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」)は、製薬会社であり食品製造会社である、小林製薬株式会社(以下「小林製薬」または「同社」)(証券コード:4967)の株式を 7.5%以上保有するファンドの運用会社です。

オアシスは小林製薬の株主として、この度の紅麴関連商品により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

オアシスは、小林製薬の企業価値の向上のために2023年より同社との対話を行っています。その中で、オアシスは、2024年3月に小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」(以下「本件製品」)による健康被害事案(以下「紅麴事件」)の発覚以降、被害者への補償並びに原因究明及び再発の防止のために同社のコーポレートガバナンスを改善すべく対話を加速してまいりました。

これまでに明らかになった小林製薬の適切なコーポレートガバナンスの欠如、そして安全衛生及び法令遵守意識の欠落を改善すべく、オアシスは小林製薬に対して臨時株主総会の招集を請求いたしました。オアシスは、小林製薬の改善のために、小林製薬の株主の皆様に対し、来る臨時株主総会においてオアシスの株主提案への賛成票を投じるよう要請します。

  • 真の独立性と優れた専門性を有する社外取締役候補者3名の選任:
    • Richard Dols Young氏: 製造物責任を専門とする米国の著名法律事務所でパートナーを務めた経験や、多国籍企業において製品安全・規制コンプライアンス及び訴訟部長を務めるなど製品安全や製造物責任に関する専門家
    • Tomoko Chubachi氏:医師としての勤務経験を有し製薬企業のChief Medical Officerを務め、衛生安全管理体制、コンプライアンス、規制対応等に精通
    • 中村 芳生氏:検事出身の弁護士で、長年にわたり多くの大型不祥事案件を担当する不祥事対応のエキスパート
  • 独立した第三者の視点から紅麹事件の調査を行う調査者として牛島信弁護士の選任

調査者の選任を必要とする背景 紅麴事件について

2024年1月上旬、小林製薬は、医師より同社が製造している本件製品を原因とする健康被害の可能性の報告を受け、同年3月22日になってようやく同製品を含む紅麹関連製品の自主回収を発表しました。また、同月27日には、小林製薬が製造・販売した紅麴関連製品が食品衛生法第6条第2号に違反するものとして取り扱う旨の見解が厚生労働省より示されています。

紅麹事件に起因する消費者に対する健康被害は極めて甚大であり、厚生労働省の発表によれば2024年12月1日時点での健康被害状況は、死者数397名、入院治療を要した者は退院者も含め542名、医療機関への受診者は2,635名です。このように、紅麴事件は 、消費者の生命及び健康に関わる極めて甚大な被害を多数発生させており、未だに、最終的な被害者数は確定しておりません。

事実検証委員会の問題点

小林製薬は、紅麴事件の調査を行うために、日本取引所グループが「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」にて推奨している第三者委員会ではなく、日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠しない事実検証委員会を設置し本件の調査にあたると発表しました。一般的に、内部統制の有効性や経営陣の信頼性に疑義が生じている場合や社会的影響が重大な事案である場合は、第三者委員会の設置が推奨されています。また、日本取引所グループの上記のプリンシプルにおいても、「第三者委員会という形式をもって、安易で不十分な調査に、客観性・中立性の装いを持たせるような事態を招かないよう留意する」ことが明記されています。

オアシスは、小林製薬が設置した事実検証委員会には以下の問題点が存在し、客観性・中立性が担保されない事実検証委員会による調査のみで原因究明を終わらせ、小林製薬の取締役が責任追及を逃れる意図がある可能性があると考えています。

  • 調査対象者からの独立性の欠如
    • 事実調査委員会は、その調査について、別途小林製薬に対して法的助言を提供している他の法律事務所所属の弁護士らのサポートを受けており、小林製薬から独立した調査が担保されておりません
    • 事実調査委員会は、調査中に発見事項及び指摘事項を調査対象である社内取締役らと共有し、あらかじめ討議を経た上で、最終的な報告書をまとめており、調査の独立性や調査結果の客観性に疑義が存在します
  • 限定的な調査範囲
    • 事実検証委員会による調査は、2024年1月中旬に本件製品に起因する健康被害の報告を受けた後、同年3月22日に紅麹事件が公表されるまでというかなり限定された期間にかかる事実経過が調査対象でした
    • 上記の期間は、小林製薬が紅麹事件を公表した後の小林製薬の対応に対する調査は対象外としており、一例として、小林製薬が関連し得る死者数の更新開示を怠ったことや、厚生労働省への不正確な報告に関する調査は対象外となっています
    • 事実検証委員会の主たる目的は「腎疾患等の症例が報告されたのは2024年1月中旬であったところ、同年3月22日に上記発表を行うに至るまで、社内でいかなる観点でいかなる検討、情報共有がなされ、どのように意思決定がなされてきたのか、証拠に基づく詳細な事実認定」であり、「上場企業における不祥事対応のプリンシプル」が求める不祥事の根本的な原因の究明の目的の観点から十分ではないことは、事実検証委員会自身が認めています
  • 再発防止策の未策定等を含む不完全な調査
    • 日本弁護士連合会のガイドラインは、第三者委員会に調査に基づく再発防止策の提言を求めているのに対し、事実検証委員会は提言を行っていません
    • また、取締役会の事実検証委員会への委嘱事項に再発防止策の提言が含まれていません

事実検証委員会の報告書から明らかになった小林製薬の問題点

オアシスは、紅麴事件が公表された後を含め、紅麹事件とその根本原因を特定するために、完全な独立性と裁量を与えられた外部の専門家による再調査を実施することが急務であると考えています。この点は、事実調査委員会も調査報告書において「実効的な再発防止策を実施していくためには、小林製薬において、より広い意味での内部統制システム及び品質管理体制の当否に関する調査及び検証」が求められると言及しています。しかしながら、小林製薬の取締役会は、推奨されている再調査を行うことなく再発防止策のみ策定しました。

上記の通り、事実調査委員会の調査に関しては、その独立性・客観性に様々な懸念点が存在するものの、同委員会の調査においても、小林製薬の品質管理体制やコーポレートガバナンスに関して、様々な衝撃的な欠陥が明らかになっています。

  • 適切な品質管理体制の構築及び従業員への教育等を行っていなかったこと
  • 消費者の生命・身体・健康に対する危害の発生及び拡大を防止する措置を取らなかったこと
  • 実効的な危機管理対応を実施しなかったこと
  • 社外取締役による監督が機能していなかったこと

また、小林製薬は創業家(小林一雅前会長や小林章浩取締役)が多大な影響力を有しており、コーポレートガバナンス体制が機能していません。このことは、小林一雅前会長が取締役会長を辞してなお特別顧問として小林製薬との関わりを維持しつつ、会長時代に使用していた会長室を現在も使用している点からも明らかです。また、同様に、小林章浩前社長も紅麹事件において同氏が何らリーダーシップを発揮することなく、被害拡大を放置していたにもかかわらず、現在も小林製薬の取締役としての地位を維持しています。

また、現任の独立社外取締役は、品質管理に関する専門知識を有さず、業務執行取締役を監督する機能も発揮せず、業務執行取締役の責任も十分に追及していません。オアシスは、このような悲劇を二度と起こさないために、取締役会の強化によるコーポレートガバナンスの改善を通して適切な品質管理体制・内部統制を構築する必要があると考えています。

オアシスの創業者兼最高投資責任者のセス・フィッシャーは下記の通りコメントしています。

“紅麴事件によって、小林製薬は、食品に対する適切な品質管理体制の欠如、その隠蔽体質、および取締役会の機能不全が明らかになりました。オアシスは、これらの根本的な原因として、絶大な影響力を保持する創業家の存在、および実効的なコーポレートガバナンス体制の欠如が挙げられると考えています。

オアシスは、小林製薬の全ての株主に対して、調査者の選任による紅麴事件の根本的原因の究明、および創業家の影響力の排除を通して同社のコーポレートガバナンスの再構築を目指すオアシスの提案に賛成いただくようお願いいたします。弊社は、弊社の提案を通して小林製薬において有効な品質管理体制が構築され、消費者の安全が確保されることと信じています”

オアシスは、ガバナンスの改善を通して小林製薬の品質管理体制の向上に関心をお持ちのすべての株主の皆様に、オアシスの提案に賛成票を投じられますようお願いいたします

オアシスの提案の詳細については、www.KobayashiCorpGov.comをご覧ください。小林製薬のガバナンスを改革し、衛生管理に関する同社の基準を強化するために、ステークホルダーの皆様がオアシス(info@KobayashiCorpGov.com)にご連絡することを歓迎します。

オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在最高投資責任者 (CIO) を務めるセス・H・フィッシャーによって2002年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業のモニタリング及び、エンゲージメントを行っています。

本プレス・リリースの情報と意見は、Oasis Management Company Ltd(以下、「オアシス」とする)が情報提供目的またはご参考に供する目的でのみ提供するものです。本プレス・リリースは、受領者に対して、 オアシスと共同して特定の会社の株券その他の金融商品取取引法における大量保有の状況等に関する開示制度の対象となる有価証券を取得し、若しくは譲渡し、又は議決権その他の権利を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。そのような共同行動をとる株主は大量保有の状況等に関する開示制度の共同保有者とみなされ、共同保有者は一般への情報開示のために合算した保有株式数を関係当局に報告しなければなりません。オアシスは、そのような合意を明示的に締結する例外的な場合を除き、日本の金融商品取引法上、他の株主と共同保有者や特別関係者として扱われる意図を有しておらず、共同保有者としての報告義務を発生させる一切の行為を行わないことをご了承ください。また、オアシスは、他の株主の保有する議決権の行使につき、当該株主を代理する権限を受任する意思はありません。なお、本書の内容は、オアシスの所見、解釈、及び評価にとどまります。

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