川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- SCIVAX株式会社(本社:川崎、社長:田中覚、以下SCIVAX)と信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下信越化学)は、3Dセンサー用光源デバイス「Amtelus®」の量産化を可能にする技術を開発しました。「Amtelus®」は2024年11月より評価用サンプル出荷を開始し、製品の販売は信越化学が行います。
これまで、SCIVAXでは光を均一に拡散・照射する光学レンズPlatanus®を、車載向けをはじめとした様々な用途の3Dセンサー用光源デバイス向けに販売し、センサーの高性能化に寄与してきました。一方で近年3Dセンシング技術の利用が広がり、高集積化・高機能化が求められてきましたが、従来のキャビティ―構造では実装面積の縮小が難しく、大きな課題の一つとなっていました。
この課題を解決するべく、信越化学は光学特性と素子を保護する封止特性を両立させた、ダイシング可能な高硬度材料を開発しました。この材料を使用することで、SCIVAXは光学レンズPlatanus®の機能を組み込んだ世界最小光源デバイス「Amtelus®」の開発に成功しました。本デバイスは実装面積が従来比の1/10の1㎜2以下で、デバイス厚みも半分以下となり、従来のデバイスと比較して大幅な小型化を実現しました。
「Amtelus®」の主な特長は以下の通りです。
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最小サイズ
発光デバイスの実装面積を最小化することで、従来搭載が難しかったARグラスやスマートフォン等への適用も可能になります。さらに、「Amtelus®」を複数利用することで、より精緻なセンシングを実現できます。 -
発光フレキシビリティ
設計の自由度が高く、多種多様な照射野を実現できる光学レンズPlatanus®は、140度以上の広範囲照射、高アスペクト比照射(120度x30度)などを可能にします。この技術を用いることにより、お客様の要望に応じて、様々な照射野を持つ「Amtelus®」をデザインすることが可能です。 -
低コスト
高い量産性を持つナノインプリント工法をレンズ製造に適用し、光源とレンズを一体成型する樹脂パッケージであることから、従来品に比べてコスト面でも大きな優位性を有しています。
信越化学とSCIVAXは、今後バイタルセンサをはじめとする次世代ライフサイエンス分野への本技術の応用など、多様な領域への展開を視野に入れています。