LONDON--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- インパクトの大きい8つのソリューションを採用することで、次世代モビリティの成長を変革し、輸送分担率に占める持続可能なモビリティの割合を、今後10年間で旅客キロにおいて約30%から60%へと倍増させる可能性があります。これは、アーサー・ディ・リトル(ADL)およびPOLIS(革新的な交通ソリューションを目指す欧州都市・地域のネットワーク)の「第5回モビリティの未来レポート」で明らかになったことです。
CO2排出量を削減し、選択肢を増やし、シームレスな移動を実現するという持続可能なモビリティを志向しているにもかかわらず、過去15年間のその進歩は鈍く、公共交通機関、徒歩や自転車などのアクティブモビリティ、新しいシェアサービスの利用は、トリップのわずか10ポイントしか伸びていません。都市部における旅客キロの70%は、依然として自家用車によるものであり、運輸部門が占めるCO2排出量は、1990年以降着実に増加し、世界的に見ても全排出量の25~40%と高いままです。
ADLがPOLISと共同で実施した「第5回モビリティの未来」に関する調査は、地方、地域、国レベルの交通当局、公共および民間のモビリティ・サービス・プロバイダー、交通部門のサプライヤー、投資家といった主要な利害関係者が、より持続可能なモビリティへの移行を加速させるために何をすべきかを明らかにすることを目的としており、モビリティリーダーおよび各分野のステークホルダーとの広範なインタビュー、グローバルリサーチに基づいています。
ADLのマネージングパートナー、トラベル&トランスポーテーション・プラクティスの責任者であり、ADLのフューチャー・オブ・モビリティ・ラボを率いるFrancois-Joseph Van Audenhoveは、次のようにコメントしています。
「2011年に最初の調査結果を発表して以来、一定の変化は見られますが、全体的には依然として乗用車が都市交通の主流を占めています。しかし、我々の分析によると、包括的な実施、適切な資金調達、システムレベルでの強固なガバナンスとともに、今回取り上げたインパクトの大きい8つのソリューションを実施すれば、今後10年間で持続可能なモビリティの世界シェアを倍増させ、より好循環なモビリティシステムへの移行を加速できる可能性があります。変革の可能性は明らかですが、真の課題はそれを実行に移すことにあります」
POLIS事務局長のKaren Vancluysenのコメントは次の通りです。
「私たちは非常に不確実で予測不可能な時代に生きていますが、未来を見通すことはリーダーシップの重要な要素です。現在のモビリティシステムを動かしているのは、どのようなトレンドや課題なのか。どのようなソリューションが存在し、どれを実際に提供できるのか。公共部門と民間部門のイニシアチブをどのように結集させ、相互に強化することができるのか。今後数年間で、何がゲームチェンジャーとなるのか。本調査は、持続可能なモビリティへの移行を加速させるための一助となることを目的としており、関係者がイノベーションの状況を把握し、適切な解決策に優先順位をつけて野心を行動に移すことを支援するものです」
検討された8つの解決策は以下の通りです。
- 気候変動緩和政策 - より統合された政策アプローチを採用し、電動化を他の行動と補完し、その影響を最大化する
- 近接都市(徒歩や自転車で15分で移動できる15分都市)のコンセプト-より人間中心でアクセスしやすい都市を形成する
- 公共交通機関の利用を促進するための複合交通マスタープランの策定
- 新たなモビリティサービス(マイクロ、シェア、オンデマンド)-公共交通と新たなモビリティを組み合わせた「シェア・モビリティ・エコシステム」を構築し、成長させるために、地方公共団体や地域当局と新たなモビリティ・サービス・プロバイダーとの連携を強化する。
- モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS) - 包括的なアプローチを採用し、モビリティ政策の目標を実現するMaaSソリューションを構築・実現し、その総和以上の価値を提供する
- 自律走行モビリティ - 自律走行車の導入を予測し、持続可能性を高める具体的なユースケースを検討する
- モビリティ需要管理 - 規制と従来習慣の変革による行動変容の推進
- モビリティ資金調達 - 資金調達の効率と効果を最適化し、事業者の資金源を多様化する
どのソリューションも個別には約15%以上の影響力を持っておらず、成功を可能にするためには調整された持続的アプローチが必要です。ただし、理論と実践の間には大きなギャップがあることも事実です。81%のモビリティリーダーが8つのソリューションを重要視しているものの、60%以下が、それらを実施するためのモビリティシステムの準備態勢に自信がないと答えています。このギャップを埋め、潜在能力を現実のものにするためには、システムレベルの調整と実行力が必要であることが浮き彫りになりました。
アーサー・ディ・リトルについて
アーサー・ディ・リトルは1886年以来、イノベーションの最前線にいます。私たちは、テクノロジー集約型・融合型産業における戦略、イノベーション、トランスフォーメーションを結びつけるオピニオンリーダーとして認められています。変化するビジネス・エコシステムを通じてクライアントをナビゲートし、新たな成長機会を発掘します。クライアントがイノベーション能力を構築し、組織を変革できるよう支援します。
ADLのコンサルタントは、業界における豊富な実務経験と、主要なトレンドや動向に関する優れた知識を兼ね備えています。ADLは、世界中の最も重要なビジネス拠点に進出しています。フォーチュン1000社のほとんどをはじめ、その他の大手企業や公的機関にもサービスを提供しています。
POLISについて
POLISは、持続可能な都市モビリティとイノベーションを推進するために協働する、都市と地域のネットワーク組織です。このため、私たちは、国内および国際的なモビリティ政策の形成において、地方・地域当局の関与を高めることを提唱しています。
1989年以来、欧州の地方自治体および地域自治体は、革新的な交通ソリューションの導入により持続可能なモビリティを推進するため、POLISの中で協力してきました。POLISは、これらの当局間の知識交換を促進し、産業界、研究センター、大学、NGOなどの主要なモビリティ関係者との対話を促進することによって、地域交通を強化しています。
POLISは、会員が欧州の研究・革新資金や成果を利用できるよう支援することで、欧州全域での協力を促進しています。POLISポリティカル・グループの定期的な会合や欧州機関との継続的な対話を通じて、持続可能なモビリティの実現に必要な情報やツールを意思決定者に提供します。