香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」)は、製紙会社である、北越コーポレーション株式会社(以下「北越」または「同社」)(証券コード:3865)の株式を 18%超保有するファンド運用会社です。オアシスは「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を遵守しており、この原則に沿ってオアシスは投資先企業のモニタリングとエンゲージメントを行っています。
オアシスは2022年10月に「より「強い」北越」キャンペーンを、2023年5月22日に「北越のガバナンス改善」に関するキャンペーンを発表し、北越の企業価値向上に数年来注力をしております。2023年5月22日の「北越のガバナンス改善」キャンペーンに対応する形で北越は2023年6月2日、「オアシスのプレゼンテーションに対する当社取締役会の見解に関するお知らせ」(以下「本発表」という。)を発表しました。
本発表において、北越は大王製紙株式会社(以下「大王」)株式は純投資ではないこと及び大王との提携関係を強化する計画が未だ協議されていない現状を認めました:
「大王製紙株式については、大王製紙と当社の提携関係の強化及び新たな事業の開拓によるポートフォリオシフトの加速や事業基盤の強化といった当社グループの中長期的な事業戦略上の観点から株式を継続保有しているのであり、オアシスが指摘するような一般的な「政策保有株式」とはその位置づけはまったく異なるものです。従って、当社としては、大王製紙の単年度の業績や短期的に大きく変動しうる時価によって保有方針を変えるものではありません。」(オアシスは下線)
本発表において、北越は、大王株式は“一般的な「政策保有株式」とはその位置づけはまったく異なるものです”と記載しています。一方で、北越は、大王株式を保有している理由について、“大王製紙と当社の提携関係の強化及び・・・・といった当社グループの中長期的な事業戦略上の観点から株式を継続保有している”とし、純投資目的で保有しているのではない旨を自ら認めています。更に、北越は、同社の大王株式に関する大量保有報告書の保有目的において明示的に「政策投資目的にて保有しております。」と記載しております。北越の不明瞭な声明とは違い、同社の保有する大王株式が「政策保有株」であることは事実です。東京証券取引所が公表している定義によれば、「政策保有株」は、上場会社が純投資以外の目的で保有している上場株式一般を含むとされており、大王株式の保有目的が純投資ではない以上、東証の定義に定める「政策保有株」に該当することは明らかです。
また、本発表において以下の記載があります:
「オアシスは、当社と大王製紙の関係が断絶しており、当社と大王製紙との間で、将来を含めて何ら事業上のシナジーが見込めないと断定しておりますが、当社は大王製紙と両社の関係改善に向けた意見交換を、両社のトップマネジメント間の面談を含め実施しており、オアシスの認識は事実と異なります。」
関係“改善”と記載がある通り、北越と大王の関係性は悪化しています。北越はこれから関係を改善するといいたいのかもしれませんが、大王と提携関係を強化する協議の段階には全く至っていないことを自ら認めています。
しかも、弊社の直近の北越経営陣との面談においては、北越経営陣は、大王の元社長が、著書の中で、大王海運への発注の経緯について刑務所の中で疑義を感じたという記載を根拠に、その疑義が大王のガバナンスの問題を示すものとして北越から大王にそのガバナンス上の懸念について回答を求める質問をしている旨を聞いております。このような北越経営陣の大王に対する一方的な追及姿勢は、大王との関係の改善を求めるどころか、引き続き対立姿勢を維持しようとしていることの証左です。それを関係改善に向けた意見交換と呼ぶのなら、そのような意見交換を何度重ねても前向きな提携強化につながる結果は期待できず、そのような無意味な意見交換は、大王株の保有を正当化する理由には全くならないとオアシスは考えています。
そもそも、両者の関係性の悪化を決定づけたのは、岸本氏が代表取締役として主導した、2015年12月における大王製紙の転換社債発行に関する訴訟が発端となっており、2020年12月に北越が敗訴するまで実に5年の時を無駄に過ごしました。北越は、その最も重要な資産である大王株式の真の価値を発揮できない状況に自らを追い込んだのです。岸本氏が、その関係悪化の原因を作ったことに対する責任を取ることもせずに依然として北越の唯一の代表取締役として君臨している限り、大王株を保有することによる提携強化どころか、大王との関係の“改善”すらも全く期待できないことは明らかです。
その他本発表に関する弊社の見解
本発表において以下の記載があります:
「(1)当社は「中期経営計画 2023」の目標値を全て達成しており、「Vision 2020」の目標値も概ね達成しております
当社は「中期経営計画 2023」の連結経営目標のうち、2022 年度は売上高及び営業利益で目標値をクリアし、売上高では創業以来初の 3,000 億円台を達成しております。2022 年度のその他の連結経営目標の未達は、主に外部環境要因による一時的な持分法による投資損失の計上によるものですが、これにつきましては前述のとおり来年度以降は回復する見込みであることが公表されております。」
これは表題と本文が矛盾しております。表題では「中期経営計画 2023」の目標値を全て達成していると記載してありますが、本文では連結経営目標の未達について記載があります。実際に、2022年度の、経常利益、当期純利益、ROE、EBITDAの目標は未達になっています。このような誤解を招く記載は不適切です。
経営目標を達成できなかっただけでなく、家庭用紙事業への参入については、当該市場は成熟市場であり、北越に競争力がないことは明らかであるにもかかわらず、参入を表明し、その後参入計画を凍結しました。これはそもそもの参入計画の経営判断が誤っていたことが理由であり、その経営判断の誤りを正当化することはできません。
北越の株価推移についても、本発表において株主総利回り(TSR)が高い旨の記載がありますが、これはオアシスのプレゼンテーションに記載の通り、紙パルプ価格の高騰およびオアシスのエンゲージメントによる収益増とガバナンス改善への投資家の期待によるものであり、北越経営陣の功績ではありません。
北越の元従業員からの匿名の通報
2023年5月22日の「北越のガバナンス改善」キャンペーン開始後オアシスは北越のガバナンス改善を切望する複数の電子メールを受領しました。その中で、匿名希望の北越の元社員から、社長は私利私欲が猛烈な一方で、従業員の給料はカットしており、まったく経営的な将来性を感じることができないことを述べた通報をいただきました。この内部通報の全文はwww.hokuetsucorpgov.comに掲載しております。
このような元社員が内部通報の内容を持つ訴えの声を弊社に投じて北越の改善を期待せざるを得ないこと自体、北越の内部告発体制を含むガバナンスの現状に問題があることを示しています。また、インターネットの就職情報サイトに掲載された北越の現役社員・元社員の声をみると、この通報者の声と同様に若手の多くが退職してしまい北越の未来に希望を持てない現状の問題を訴える社員・元社員の声が多く寄せられております。このような若手社員の退職増加傾向は、会社の従業員の平均年齢が年を追うごとに上昇している事実によっても裏打ちされています。
こうした閉塞的な状況を打開するためにも、旧態依然とした経営を続ける岸本氏の君臨体制に終止符を打ち、北越の従業員が未来に希望を持てるようにするべきです。
北越のガバナンス改善は、株主の皆様一人一人の意思決定にかかっています。
オアシスは北越のガバナンス改善と真の企業価値向上のことを思うすべての株主に対して岸本氏の代表取締役社長再任への反対投票を要請いたします。
オアシスの提案の詳細については、www. hokuetsucorpgov.com をご覧ください。北越のガバナンスをより良くするために、すべてのステーク・ホルダーがオアシス(info@hokuetsucorpgov.com)に連絡することを歓迎します。
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オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在最高投資責任者 (CIO) を務めるセス・H・フィッシャーによって2002年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業のモニタリング及び、エンゲージメントを行っています。
本プレス・リリースの情報と意見は、Oasis Management Company Ltd(以下、「オアシス」とする)が情報提供目的またはご参考に供する目的でのみ提供するものです。本プレス・リリースは、受領者に対して、 オアシスと共同して特定の会社の株券その他の金融商品取取引法における大量保有の状況等に関する開示制度の対象となる有価証券を取得し、若しくは譲渡し、又は議決権その他の権利を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。そのような共同行動をとる株主は大量保有の状況等に関する開示制度の共同保有者とみなされ、共同保有者は一般への情報開示のために合算した保有株式数を関係当局に報告しなければなりません。オアシスは、そのような報告が必要とされる共同保有者としての合意を明示的に締結する例外的な場合を除き、共同保有者としての報告義務を発生させる一切の行為を行わないことをご了承ください。