スイス・ダボス--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 気候変動、人口増加、消費者需要によって脅威が高まる中で世界の淡水生態系を守ることは、かつてないほど重要になっています。この深刻化する危機に対処するため、世界経済フォーラムのオープン・イノベーション・プラットフォームのUpLinkは、世界的複合企業のHCLグループと提携して、水に焦点を当てた10人の起業家を発表しました。10人は、HCLグループが提供する175万スイス・フラン(190万ドル)を分け合い、自らのイノベーションの規模を拡大します。
水の利用は、食料生産、教育、雇用創出、健康と福祉、自然保護において重要な役割を果たしており、国連の2030年持続可能なアジェンダを達成する上で不可欠です。しかしながら、世界の水需要は2030年までに持続可能な供給量を40%上回ることになり、世界の経済と社会に大きな影響を与えます。
この10社の新興企業は、HCLとUpLinkのアクアプレナー・イノベーション・イニシアチブによる5つチャレンジの最初のチャレンジであるグローバル・フレッシュウォーター・イノベーション・チャレンジの受賞者です。2022年9月にスタートしたこのチャレンジでは、データ主導の意思決定を強化し、気候変動に直面した際の淡水の回復力を高め、世界中の水質を回復する革新的なソリューションを募集しました。
HCLグループは、イノベーション・チャレンジ・シリーズを始動させてUpLinkで世界の淡水セクターのイノベーション・エコシステムを構築するために、5年間にわたる1500万ドルの投資を通じて、UpLinkと当フォーラムのグローバル・ウォーター・イニシアチブ を支援しています。
このチャレンジに提出された227件のソリューションの中から水に焦点を当てた10人の起業家(つまり「アクアプレナー」)が選ばれ、HCLグループから提供された貴重な資金を各々17万5000スイス・フラン(19万ドル)受け取ります。このイノベーターの中から、ダボスでの2023年世界経済フォーラム年次総会でソリューションを発表する2社が選出されました。
- 米国にあるエピック・クリーンテックは、都市建築環境における水の再利用に関する革命をリードする水技術の企業です。エピック・クリーンテックのアーロン・タラタコフスキー氏は、次のように述べています。「インフラストラクチャーの老朽化、都市人口の増加、急激な気候変動と、課題が複合的になっているため、従来の方法で水を管理することは、もはや持続可能ではありません。エピックは、都市が今後何世代にもわたって確実に水を確保できるようにすることを使命としています。」エピックは、次世代技術を使って水利用における循環を促進すること、政策立案者と協力して都市の水インフラストラクチャーを再形成することを目指しています。
- アルゼンチンにあるキリモは、農業における水利用を検証、改善、相殺するためにビッグデータと機械学習を使用します。共同創業者で最高執行責任者のタチアナ・マルバシオは、次のように述べています。「ラテンアメリカ出身の創業者である私たちは、この地域の農業と水分ストレスの対立状態をじかに体験しています。そこでこの課題への対応として、私たちは農家が水の使用量を減らして灌漑の効率を高められる可能性のある製品を作ることに乗り出しました。」キリモは人工知能を使用して、農家がまず灌漑を最適化し、その後、水管理イニシアチブに参加したことへの正当な対価を受け取れるように支援します。
HCLから賞金が授与され、UpLinkの支援を受ける他の起業家は以下のとおりです。
- bNovate Technologies(スイス) – 給水の細菌濃度を監視および検出するための自動遠隔バイオセンサー
- インドラ・ウォーター(インド) – 一次処理に化学物質を添加しない電動の分散型廃水処理ソリューション
- Majik Water Technologies(ケニア) – 実証済みの結露利用技術を使用して空気中の水分を捕捉する大気水生成システム
- NatureDots Private Limited: AquaNurch(インド) – 生態系のストレス要因から漁業と水管理者のリスクを取り除き、養殖場技術の遠隔制御とリアルタイム監視を実現
- オニカ・テクノロジーズ(カナダ) – 波から生み出される再生可能エネルギーを使用して飲料水を生成する波力淡水化ソリューション
- Openversum(スイス) – 水から病原体の重金属を除去する現地組み立て管理式のメンブレン・フィルター
- RainGrid Inc.(カナダ) – 検証可能な生態系クレジットを生成しながら住宅地降雨流出ネットゼロを実現するコミュニティー規模、不動産ベースのデジタル・ネットワークを構築
- Wateroam Pte Ltd(シンガポール) – 電気を使わずに安全でスピーディーな高品質の飲料水を製造
HCLテックのロシュニ・ナダール・マルホトラ会長は、次のように述べています。「アクアプレナー・イノベーション・イニシアチブの最初の受賞者を発表することを、うれしく思います。受賞者は、大人数の専門家パネルによる厳正な審査を経て選ばれました。淡水の利用可能性は世界中で急速に変化して危うい未来がもたらされようとしており、政策立案者、民間部門、一般の人々からの注目を等しく必要としています。既存の淡水資源をめぐる課題に対する解決策を見つけようとしているアクアプレナーの努力を目にしてきた私は、間違いなく誰もが地球の未来のために正しい方向に進んでいると考えています。上位10名の受賞者の皆さま、誠におめでとうございます。」
世界経済フォーラムのマネジングディレクターのオリビエ・シュワブ氏は、次のように述べています。「清潔な水に対する世界的な需要の増加に対応し、より環境にやさしい経済への移行をサポートするためには、これらのイノベーションが不可欠です。世界中の国々が水不足に脅かされているため、現在および将来の世代のために、この貴重な資源を確実に利用できるようにする助けとなる革新的な新興企業を見つけ、力を持たせることが絶対に必要です。UpLinkとHCLが立ち上げたアクアプレナー・イノベーション・イニシアチブは、世界クラスのイノベーターを真の変革的変化を拡大して推進するために必要なリソース、専門知識、重要な資金と結びつけます。」
UpLinkについて
UpLinkは世界経済フォーラムのオープン・イノベーション・プラットフォームであり、国連の持続可能な開発目標で概要が示されているように、世界で最も差し迫った問題に対する革新的な解決策によって新興企業を支援することにより、人々と地球のために「起業家革命」を解き放つように設計されています。ダボスで開催された2020年世界経済フォーラム年次総会で、デロイトおよびセールスフォースと提携してスタートしたUpLinkは、起業家を投資家、専門家、およびベンチャー事業の拡大を支援できるパートナーと結びつける架け橋となります。
UpLinkは、イノベーション・チャレンジと呼ばれる競争フレームワークを通じてイノベーションを調達します。UpLinkは43種類以上のチャレンジを実施し、健康、食品、淡水、海洋、プラスチック、教育、気候などのSDGの重要分野にわたり、革新的なソリューションを持つ起業家350人以上を見い出しました。
詳細情報については、https://uplink.weforum.orgをご覧ください。
HCLグループについて
1976年にインドで最初のガレージで立ち上げられたIT新興企業の1つとして創立されたHCLは、世界の同業他社に大きく先駆けた1978年に8ビット・マイクロプロセッサー・ベースのコンピューターを発表するなど、多くの初の功績を挙げた現代のコンピューティングの先駆者です。今日、HCLグループは、テクノロジーやヘルスケアなどのセクター全体で事業を展開しており、HCLテック、HCLインフォシステムズ、HCLヘルスケアの3つのグループ会社で構成されています。当グループは、123億米ドルを超える年間収益を生み出し、60カ国で22万2000人以上の従業員が働いています。
グループ会社のHCLテックは、世界をリードするテクノロジー企業の1社です。複数の業界セグメントにわたるテクノロジーサービスと製品の幅広いポートフォリオを用いて、デジタル、エンジニアリング、クラウドを中心とした最先端の能力を提供しています。HCLテックは、世界経済フォーラムの戦略的パートナーです。
詳細情報については、www.hcl.comをご覧ください。
編集者への注記
2023年世界経済フォーラム年次総会について
世界経済フォーラムの2023年年次総会は、「断片化された世界における協力」というテーマの下で、世界の主要なリーダーが招待されます。
2023年年次総会の詳細については、こちらをご覧ください。
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