香港&東京--(BUSINESS WIRE)--オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下、「オアシス」とします。)は、フジテック株式会社(以下、「フジテック」とします。)の16.5%以上の株式を保有するファンドの資産運用会社です。オアシスは、金融庁が定める、責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)を受け入れており、この原則に沿って投資先企業を監督し、また、エンゲージしています。オアシスはフジテックの投資を開始して以降、同社に対して、ガバナンスの強化、資本配分の改善、同社にとっての主要な市場や事業への集中によって、すべての利害関係者に持続可能な価値をもたらすよう働きかけています。
オアシスは2021年の議決権行使で示したように、フジテックと建設的な議論を求めようとしてきました。しかしながら、何ら有意義な変化は起きず、現時点でも変化はありません。本日、オアシスはフジテックの取締役会に対して、適切かつ独立した経営への監視を速やかに確保するために臨時株主総会を開催可能な最も早い日付で開催するよう要求しました。本臨時株主総会においては、オアシスは現職の社外取締役をすべて解任し、真に独立した経験豊かかつ、多様な取締役を新たに選任してフジテックのガバナンスを飛躍的に改善させてすべての利害関係者の利益を守ることを希求します。
悪質な関連当事者取引
フジテックの企業価値向上を阻む根本原因は、近年6%程度の保有比率にまで低下しているにもかかわらず、創業家の内山家が同社を引き続き支配していることにあります。2022年5月に、オアシスは、長年にわたって社長(当時)を務めていた内山高一氏及び、その一族に関連した私的な会社と、フジテックとの間で行われた衝撃的かつ大規模な関連当事者取引の詳細を公開しました。
オアシスは、2022年の第75期定時株主総会で議決権を行使して内山高一氏の責任を追及し、フジテックを守るように呼びかけました。
取締役会は、当時の社長を責任追及から匿うために、独立性が十分でない法律事務所とともに明らかに不十分な内部調査を行いましたが、取締役会による利害関係者の権利毀損の深刻さも相俟って、市場はフジテックに高い関心を持っており、少数株主はフジテックに改善を求め続けています。それにもかかわらず、取締役会はいくつもの虚偽や、誤解を招く開示を更に繰り返し、株主に多大な懸念を惹起させて市場からの信頼をさらに貶めています。
株主の声は無視され、株主の権利は侵害された
2022年の第75期定時株主総会では、内山高一氏が社長をつとめているフジテックのガバナンスはいかに毀損していたかを示す、前代未聞の行為が行われました。取締役会は定時株主総会の数時間前になって内山高一氏の再任議案を取り下げる決定を下し、株主が持つ最も基本的な権利である議決権を行使して取締役に責任を取らせる権利を著しく侵害しました。
内山高一氏を株主総会での議決権行使の対象から匿ったことはまずもって重大な問題ですが、さらに取締役会は内山高一氏を株主総会で承認を経ない会長職に任命するという決議を続いて下しました。これは、フジテックの抱えるガバナンス上の課題の根深さと、フジテックにおいて内山高一氏と相対できる独立した勢力が全くもって存在しないという衝撃的な事実を如実に示しています。取締役会は、わずか数日前にガバナンスの改善を高らかに謳ったにもかかわらず、株主がフジテックからの排除を試みた内山高一氏を何故、フジテックに対して影響を及ぼしうる地位に報酬付きで着任させたのかになんら説得力のある説明を提供できませんでした。特に、取締役会は内山一族が同社の内部通報制度への接近を認め、また、目下行われているフジテックの資本の私的流用についての調査にも影響を及ぼしかねません。
このような株主の声を封じ込める行為にもかかわらず、40社以上の大手機関投資家が内山高一氏の再任に反対投票していたことが議決権行使結果の個別開示から明らかになっています。それは、内山高一氏がフジテックで引き続き経営の指揮を執ることは是認できないということをはっきりと示しているということです。取締役会が内山高一氏の再任議案を取り下げたのは株主に対して取るべき説明責任を回避するためであり、株主が有する基本的な権利である議決権と受託者である取締役に責を問う権利を奪うためであると言って間違いないでしょう。
取締役会が内山高一氏の議案撤回理由を曖昧にしたために、株主の不信任の程度が隠されてしまった上、内山高一氏を株主に対して取るべき説明責任から回避させることになってしまい、その結果、株主は取締役会、特に、社外取締役に対して益々、不信感を募らせています。
フジテックの社外取締役は、利害関係者ではなく内山高一氏のために動いてきました
本年6月の第75期フジテック定時株主総会に関して起きた一連の事態は、フジテックのガバナンスがどれほど深刻な状況であったかを明らかにしたと同時に、内山高一氏の支配力がいかに強く、同氏の在任中に指名を受けた社外取締役は同氏の支配力を維持するためにしか機能していなかったこと如実に表しています。
新たに選任された二人の社外取締役を含む全ての社外取締役が内山高一氏の支配を是認しようと意図的に動いた結果、フジテックの長期的な株主や、市場一般からはフジテックは以下のような会社であると認識されています。
フジテックは、
- 内山一族に支配されている
- 株主の権利、意見を無視する
- 自身の潜在的な企業価値を実現できない
- 会社に対して批判的な利害関係者を丸ごと無視する
社外取締役として期待された職責を全うできていない
取締役会には、経営陣から独立して相対する存在としての社外取締役が全くいないために、株主の社外取締役への期待と、実際のフジテックの社外取締役の行動には著しい乖離が生じています。コーポレート・ガバナンス・コード、東証が発刊した「ハンドブック 独立役員の実務」、及び、経済産業省が策定した「社外取締役の在り方に関する実務指針」によって明確に定義された世間に広く受け入れられている良好なガバナンス上の慣行を満たすということを社外取締役に期待しています。
上述の公表資料上で定められているフレームワークに則ると、現職のフジテック社外取締役は、以下の点で求められている社外取締役としての責務を果たしていないと考えています。
フジテックの社外取締役は、
- 内山家の支配を是認している
- 経営戦略策定に失敗した
- 責任をかわそうと策を弄する
- 出鱈目なリスクマネジメントとリスクコントロール手法をとる
この一連の社外取締役の失敗は、2021年の第74期定時株主総会の時点ではフジテックの進捗をまずは支持してきた多くの株主の善意を裏切るものでした。2022年の第75期定時株主総会での出来事に象徴されるように、取締役会が行ってきたとする改善とは、単なるうわべを取り繕ったものに過ぎなかったことが明らかになっており、同社には変化というものが差し迫って必要ということを示しています。
客観的にみてその責務を果たせていない
2022年の第75期定時株主総会当日に、社外取締役は自身の指名を指示した前社長の意向を汲むことを選び、株主からの信用と信頼の一切を失いました。社外取締役自らが、すでに脆弱だった株主から社外取締役への信認を完膚なきまでに破壊したのです。オアシスがフジテックとの対話を開始して以降、オアシスが目撃してきた数々の出来事や事態は、社外取締役が負う義務を果たせてこなかったことを証明しています。
社外取締役が負っている義務を何等果たすことができないこと、そしてこれまでもその義務を果たしてこなかったことから、内山高一氏が誤った形で社外取締役の指名プロセスへの影響力を保持していることを示しています。独立性を欠いた社外取締役の指名、客観的に見た社外取締役によるその責務の不履行、株主やそのほかの利害関係者を裏切ってきた一連の事実は、いまの社外取締役の辞任を要求するのに十分な理由であるとオアシスは信じます。
今まさに、変化が必要です。そこで、
オアシスが招集請求した臨時株主総会において、株主が現職の社外取締役を解任することに投票するよう求めます
フジテックのガバナンスを飛躍的に向上させる新しい取締役会を
オアシスは、フジテックのガバナンスを高め、すべてのステークホルダーの利益を守るために、独立した、経験豊かで多様性のある7名の取締役をフジテックの取締役に推薦しています。オアシスは、5ヶ月以上にわたる大規模な指名プロセスを経て、このたびの指名に至りました。今回推薦された取締役は、互いを補完し合いながら、経営に必要な能力を持つ、真に独立した取締役会を実現します。
候補者の詳細な経歴は、www.protectfujitec.comにて公開しているプレゼンテーションにてご覧いただけます。取締役会としてのスキルセット、バックグランドや属性の多様性に関しての同業他社との比較も本プレゼンテーション上で公開しています。
新たな取締役会が負う責務
我々が推薦する取締役が臨時株主総会で選出された暁には、以下の明確かつ幅広い責務を負います。新たな取締役会が負う責務は、失われた信頼を回復し、市場からの信頼性を再構築し、フジテックがすべてのステークホルダーに価値を提供できるようになることを目指すものです。
それに従い、新たな取締役会は以下を達成するために一丸となって取り組みます。
- ガバナンス体制の一新
- 経営戦略の改善と経営責任の明確化
- リスクマネジメントと内部統制の改善
- 利害関係者の利益追求の優先
我々の候補者は社外取締役であって、社内取締役や経営の執行陣の座を求めているわけではありません。そのため、フジテックはこれまで通り、日々の経営の安定と経営の継続性を確保することができます。特に、我々の候補者のうち3名は、同業他社で豊富な経験を有しており、フジテックの経営陣を支える高度な知識と専門性を有しています。
フジテックを飛躍させるために
「フジテックはすべての利害関係者のために、よりよくならないといけません。5か月に亘って選定した社外取締役それぞれが、フジテックの長期的な価値の向上に貢献してくれます。日本企業において取締役会が説明責任を果たし、ガバナンスを改善させていくことを望む全ての株主は、我々が推薦する取締役候補に投票するべきです。」
-オアシス創業者、最高投資責任者セス・フィッシャー
オアシスの提案の詳細は、www.protectfujitec.comにてご覧いただけます。
すべての利害関係者からの連絡をお待ちしています。オアシスの連絡先は、info@protectfujitec.comになります。
オアシスについて
オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在、最高投資責任者 (CIO)を務めるセス・H・フィッシャーによって 2002 年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業の監督及び、エンゲージメントを行っています。
ディスクレイマー
本プレスリリース(以下「本リリース」)の情報は、フジテックの株主であるファンドの運用会社であるオアシスが、フジテックの株主の皆様への情報提供を目的とするものです。
本リリースは、フジテックの株主に対して、オアシスと共同で議決権を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。
また、オアシスは、株主の皆様に対して、当社と共同で議決権を行使することを何ら勧誘・請求していません。共同して議決権を行使することに合意した株主は、日本の大量保有報告制度における「共同保有者」とみなされ、日本の関係当局に保有株式の総額の届出を行って公開することが必要とされます。
オアシスは、本書またはウェブサイトを通じて、他の株主と意見交換を行う行為により、日本の金融商品取引法における他の株主との共同保有者として扱われる意図を有しておりません。
この声明および関連資料は、来たる臨時株主総会に関するオアシスの意見、解釈、および推定を独占的に表しています。 オアシスは、同社が所有するファンドへの投資助言者としての立場おいてのみ、これらの意見を表明しています。