東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 3D Investment Partners Pte. Ltd.(3D OPPORTUNITY MASTER FUNDと総称して 、以下「3D」もしくは「当社」)は本日、富士ソフト株式会社(以下「富士ソフト」)(9749.T)の株主の皆さまに対し、2022年3月11日に開催される第52回定時株主総会において、当社の提案する長谷川寛家氏と鳥居敬司氏の2名の社外取締役の追加選任議案にご賛同頂けるよう、公開書簡を発表しました。
3Dの提案にご賛成頂くことは、大手議決権行使助言会社であるGlass, Lewis & Co.(以下「グラスルイス」)とInstitutional Shareholder Services (以下「ISS」)の推奨に従っていることになります。
グラスルイスは、発行したレポートの中で、「株主目線を備えた少数派の取締役候補者を取締役会に加えることは、対象会社の長年に亘る取締役、特に野澤氏の潜在的な影響力の強さに対する合理的な対抗措置となり得る」と述べ、株主目線を備えた少数派の取締役候補者を取締役会に加えることの重要性を指摘しています。
また、ISSは、発行したレポートの中で、「最適でない資本構造、非効率なオペレーション、焦点の定まらない戦略など、経営陣が十分に対処していない明らかな問題」と形容した上で、株主の皆さまに対し、3Dの株主提案に賛同するよう推奨しています。ISSは、当社が提案する取締役候補者2名の財務、会計、資本配分における経験を高く評価し、「 (富士ソフトの)現在および将来の投資計画を再評価し、正しい道筋を決定するのに貢献するだろう」として、株主の皆さまに貢献できるとの見方を示しています。
当社は、株主の皆さまに対し、富士ソフトの取締役会に新たな視点と監督機能の強化を提供する2名の取締役の追加選任議案についてご賛同頂けますよう、お願い申し上げます。
2022年3月 1日
富士ソフト株主の皆さま、
3D Investment Partners Pte. Ltd.(3D OPPORTUNITY MASTER FUNDと総称して 、以下「3D」もしくは「当社」)は、富士ソフト株式会社(以下「富士ソフト」)の株式を約9.28%保有しています。
2022年1月13日、当社は社外取締役2名の選任を求める株主提案を提出しました。大手議決権行使助言会社であるGlass, Lewis & Co.(以下「グラスルイス」)とInstitutional Shareholder Services(以下「ISS」)は、富士ソフトの株主に、2022年3月11日に開催される第52回定時株主総会において、3Dが提案する2名の取締役候補者両名に賛成票を投ずるよう、推奨するレポートを発行しました。
グラスルイスは、発行したレポートの中で、「株主目線を備えた少数派の取締役候補者を取締役会に加えることは、対象会社の長年に亘る取締役、特に野澤氏の潜在的な影響力の強さに対する合理的な対抗措置となり得る」と述べ、株主目線を備えた少数派の取締役候補者を取締役会に加えることの重要性を指摘しています。
また、ISSは、発行したレポートの中で、「最適でない資本構造、非効率なオペレーション、焦点の定まらない戦略など、経営陣が十分に対処していない明らかな問題」と形容し、富士ソフトの経営の問題点を指摘しています。
当社は、富士ソフトには大きな成長余地があると確信しています。しかし、自社オフィス開発に偏った資本配分、4社の上場子会社、業界最低水準の総還元性向、業界最低水準の利益率、具体的な成長戦略の欠如などが、その可能性を潰していると考えています。その結果、富士ソフトの資本効率や事業効率は、同業他社に比べてかなり低くなっています。
同業他社に比べ劣後する資本及び事業効率性は、株主へのリターンの劣後にも直結しています。以下の通り、総株主利回り (“TSR”) は、いずれの期間においても同業他社の中央値を大きく下回っています。1
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1年 |
3年 |
5年 |
富士ソフト TSR vs. 同業他社中央値 |
-3% |
-11% |
-27% |
当社は、富士ソフトの企業価値成長をより高めるためには、取締役会への新たな知見の導入と、監督機能の強化が必須であると考えています。当社は、2名の社外取締役の追加選任を提案しています。両名の選任により、自社オフィスへの過剰な資本配分、4社の上場子会社、低水準の株主還元、低い利益率、成長戦略の不在等の、潜在的な富士ソフトの経営課題について、取締役会における客観的な再検証が促進されると考えています。
より詳細には、当社は、株主提案を通じて、取締役会が下記の経営方針について再検証を行うことを求めています。
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自社オフィスの開発方針の再検証、オフィススペース削減による資本効率の向上
富士ソフトは同業他社と異なり、生ずる純利益額全額に相当する金額を自社オフィスビル開発に充当しています。自社オフィスのROICは低いこと、同業他社は自社オフィスを所有していないこと、富士ソフトの従業員満足度は業界最低水準であることなどを考えると、これほど多額の投資を行う合理性は見当たりません。さらに、富士ソフトの所有する自社オフィスの評価額は会社全体の時価総額を上回っており、株主を含む投資家は、所有不動産による付加価値を認めていません。このような、企業価値への寄与が疑わしい自社オフィス開発方針は、客観的視点を持って妥当性が再検証されるべきと考えています。
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上場子会社の在り方の再検証
富士ソフトが支配する4社の上場子会社について、現状維持、完全買収、完全売却、いずれが最も企業価値を創造するかについて、客観的に再検証すべきと考えています。子会社から親会社への貸付や、一部子会社の有価証券の虚偽記載など、ガバナンス体制に不備があるため、上場子会社は市場から低く評価されており、富士ソフトグループとしての企業価値を損なっています。
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株主還元方針の再検証
過去5年間、富士ソフトは純利益の17%と競合平均の半分にも満たない水準の株主還元を行い、その代わりに純利益の全額相当を自社オフィス開発に充当してきました。富士ソフトは、株主資本コストを適切に算出し、既存及び将来の投資の投資収益性を比較検討の上、余剰資本については適時株主還元に充当すべきであると考えています。
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利益率改善策の策定
富士ソフトの営業利益率は業界平均を大きく下回り、特に従業員一名当たりの営業利益額は業界平均の半分にさえ満たない水準であることから、人員配置やプロジェクトの収益性に課題を抱えています。当社の詳細な分析によれば、業務・組織の効率化や高収益案件の開拓等によって、70~170億円の利益額の向上が可能です。富士ソフトは、利益率改善に豊富な知見を持つ外部コンサルティング・ファームを登用して低利益率の原因を究明した上で、詳細な改善計画を策定し、現状の経営計画の検証を行うべきです。
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確たる成長戦略の策定
富士ソフトはこれまで、全技術領域に経営資源を振り分け、需要に応じて社員数を増やすことで成長してきており、集中的な成長戦略を有していません。しかし今後、技術革新に伴い業界環境の大きな変化が想定されます。DX・クラウド、車載ソフトウェア、他社ライセンス、機械制御システム、社会インフラ等を中心に、将来の成長機会について、外部コンサルティング・ファームを登用の上、客観的な視点で分析を行い、経営資源を集中すべき分野の特定と競争に勝つための戦略の策定が必要であると考えています。
当社は株主として、これらの課題を念頭に置き、過去2年間に亘り建設的な対話を試みてきました。当社は、詳細な利益率改善アクションプラン、事業成長分析資料も含め、企業価値を高めるための提案を数多く行ってきましたが、2022年2月10日に発表された中期経営計画には、それらの提案が考慮された形跡はありませんでした。また、当社は創業者で取締役でもある野澤宏氏との面談や、社外取締役への当社の考え方の説明の機会の提供を依頼しましたが、いずれも本日時点、設定されたことはありません。株主提案への対応についても、取締役会は、2名の社外取締役候補者いずれとも面談することなく、また当社からの意見を聴取することもなく、全会一致で選任に反対することを決議しました。
富士ソフトの業界内でも異質な経営方針は、創業者である野澤宏氏の意向が色濃く反映されたものです。野澤氏は、2011年時点は取締役でさえありませんでしたが、突如社長が辞任し、野澤氏が会長執行役員に復帰した上で、娘婿の坂下氏が代表取締役社長に就任したという経緯があります。本日時点においても、形式上経営から退いているように見えているものの、社長人事含め、依然として会社の経営方針に対して大きな影響力を持ち続けていると、当社は考えています。
以上のような観点から、当社の提案する2名の新社外取締役の追加選任による取締役会の監督機能の強化と現経営方針の再検証こそ、富士ソフトの企業価値を飛躍的に高めるものであると当社は確信しています。長谷川寛家氏と鳥居敬司氏は、資本配分、財務、ガバナンスなどの分野で豊富な経験と卓越した専門知識を有しています。また、富士ソフトの長期的な株主であり、少数株主の利益の代弁者として最適です。当社は、グラスルイスとISSが当社提案を支持してくれたことを非常に喜ばしく思っており、同様に、株主の皆さまからも是非ご支持頂きたいと考えております。
株主の皆さまにおかれましては、候補者の経歴や当社の提案説明資料(https://www.3dipartners.com/engagement/presentation-on-shareholderproposal-jp.pdf )
をご覧いただき、第52回定時株主総会において、長谷川寛家氏と鳥居敬司氏二名の社外取締役選任議案に対し、ご賛同頂けますよう、お願い申し上げます。
敬具
3Dインベストメント・パートナーズ
プレゼンテーション資料:
https://www.3dipartners.com/engagement/presentation-on-shareholderproposal-jp.pdf
ウェブサイト:
https://www.compoundfujisoft.com/
3Dインベストメント・パートナーズについて
当社は、2015年に設立された、シンガポールを拠点に日本特化型のバリュー投資を行う独立系資産運用会社です。複利的な資本成長を通じた中長期的な価値創造を投資哲学としています。
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3D Investment Partners Pte. Ltd.及びその関連会社並びにそれらの関係者(以下、「3DIP」)は、昨今の富士ソフトの株価はその本源的価値を反映していないと考えています。3DIPは、購入時点において、富士ソフトの有価証券は過小評価されており、魅力的な投資機会を提供しているという独自の考えの下、これらの実質的所有権及び/又は経済的利益を購入しており、また、将来においても実質的所有権を有し、又は経済的利益を有する可能性があります。3DIPは、富士ソフトに対する投資について、継続的に再検討を加える予定であり、様々な要因、例えば – 富士ソフトの財政状態及び戦略的方向性、富士ソフトとの協議の結果、全体的な市場環境、3DIPが利用可能なその他の投資機会、富士ソフトの有価証券の購入又は売却を3DIPの希望する価格で実行しえる可能性等 - に応じて、いつでも(公開市場又は非公開の取引を通じて)、関係法令で許容される方法を限度として、自由に、売却し、購入し、カバーし、ヘッジし、又は投資(富士ソフトの有価証券への投資を含みます)の形態や実態にかかるその他の変更を実施する可能性があります。また、3DIPは、そのような変更等を他者に通知する義務の存在を明示的に否定します。
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1 出所:2022年2月18日時点のFactSetデータ。同業他社は伊藤忠テクノソリューションズ、TIS、SCSK、日本ユニシス、日鉄ソリューションズ、NSD、DTS、システナ。