ジャージー島セントへリア--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- ノボキュア(NASDAQ: NVCR)は本日(2015年10月5日)、米国食品医薬品局(FDA)が、初発の膠芽腫(GBM)と診断された成人患者の治療を目的としたテモゾロミドの併用でオプチューンを承認したと発表しました。オプチューンは腫瘍治療電場(Tumor Treating Fields以下TTフィールド)と呼ばれる低強度・中間周波数の交流電場を発生させる携帯可能な非侵襲性の装置で、がん細胞の複製を阻害し、がん細胞を死滅させます。
オプチューンは過去10年以上の期間で、初発膠芽腫の生存期間で統計的に明確な有意な延長を示して、FDAから承認を受けた初めての治療方法です。オプチューンとテモゾロミドの併用療法を受けた患者の2年生存率は、テモゾロミド単独療法を受けた患者より50%向上しました。全身的な副作用の有意な増悪は観察されず、患者はオプチューン使用中に安定した生活の質、認知機能、日常生活を維持しました。
ノボキュアの最高経営責任者(CEO)であるアサフ・ダンジガーは、次のように述べています。「弊社は膠芽腫の患者様への支援に真剣な努力を傾けており、オプチューンが無増悪生存期間と全生存期間の両方で、このように大きな改善を患者にもたらすことが示されたことは私たちにとって大変喜ばしいことです。膠芽腫は原発性脳腫瘍の最も一般的な形態で、これまでのところ、治療法の大幅な改善は10年以上にわたって見出されておりませんでした。今回、弊社が膠芽腫患者の転帰を大幅に改善した治療法の開発に導くことができたのは、多くの患者様とその介護者、医療関係者の方々のご協力の賜物と感謝しております。」
FDAによる承認は、オプチューンの市販前承認(PMA)追加申請の優先審査によるものです。FDAは、生命を脅かす疾患の治療を目的とした医療機器で、既承認製品より臨床的に意義のある優位性をもたらす機器を対象に、優先審査の指定を与えます。尚、オプチューンは既に2011年4月、化学療法実施後に腫瘍が再発した成人GBM患者の治療を適応として承認を受けています。
GBMは最も一般的で最も悪性度の高い原発性脳腫瘍です。米国では毎年、推定1万2500人がGBMまたは一般的にGBMへと進行する腫瘍に罹患しているとの診断を受けています。初発患者の全生存期間中央値は、これまでの既存の標準治療の場合で約15カ月です。
第3相臨床試験で標準治療より優れていることを実証
オプチューンの適応症の拡大はEF-14の結果に基づくものです。EF-14は大規模多国間非盲検ランダム化第3相試験で、初発のGBM患者700人で、テモゾロミドと併用したオプチューン治療群とテモゾロミド単独治療群を比較した試験です。本試験では、無増悪生存期間と全生存期間の両方が検出可能なデザインとしました。
試験は2014年11月に、独立データモニタリング委員会による評価に基づき、成功と判断されて中止されました。委員会は、試験が事前設定の中間解析で評価項目を達成し、テモゾロミド単独療法と比較して、オプチューンをテモゾロミドと併用した患者の方が無増悪生存期間と全生存期間で有意に優れていることを実証したと、結論付けました。
EF-14の事前設定された評価項目の中間解析では、下記が実証されました。
- as-treated群でテモゾロミドと併用したTTフィールドによる治療を受けた患者の2年生存率が48%であるの対して、テモゾロミド単独療法を受けた患者は32%であった(p=0.0058)。
- intent-to-treat群でテモゾロミドと併用したTTフィールドによる治療を受けた患者は、テモゾロミド単独療法を受けた患者との比較で無増悪生存期間の統計的に有意な延長を示した(無増悪生存期間の中央値は4.0カ月に対して7.2カ月、ハザード比=0.62、p=0.001)。
- as-treated群でテモゾロミドと併用したTTフィールドによる治療を受けた患者は、テモゾロミド単独療法を受けた患者との比較で全生存期間の統計的に有意な延長を示した(全生存期間の中央値は20.5カ月に対して15.6カ月、ハザード比=0.66、p=0.004)。
本試験では、オプチューンをテモゾロミドと安全に併用できることも示しました。オプチューンとテモゾロミドの併用では、テモゾロミド単独療法と比較して、重篤有害事象の有意な増加は見られませんでした。オプチューンによる治療で最も多かった有害反応は軽度から中等度の皮膚炎でしたが、容易に管理できる可逆性のもので、治療中止をもたらすことはありませんでした。
シカゴの米国脳腫瘍協会のエリザベス・ウィルソン会長兼CEOは、次のように述べています。「今回の承認は膠芽腫治療にとって非常に重要な節目となる成果です。治療選択肢がほとんどない疾患に対し、オプチューンは治療開始からの生存期間延長に新たな希望をもたらすものです。」
腫瘍治療電場療法について
腫瘍治療電場(TTフィールド)療法は、患者が継続的に使用できるように設計された携帯可能な非侵襲性の医療機器を用いて行います。In vitroおよびin vivoの研究では、TTフィールド療法によりがん細胞が分裂し複製するプロセスである有糸分裂を阻害し、腫瘍の成長を遅延させ阻害することが明らかとなりました。TTフィールド療法は電荷を帯びた細胞成分に物理的な力を及ぼす低強度の交流電場を腫瘍内で発生させ、通常の有糸分裂プロセスを阻害し、がん細胞を死滅させます。
適応
米国でオプチューンは、組織学的に確認された多形性膠芽腫(GBM)の成人患者(年齢22歳以上)の治療が適応となっています。
米国でオプチューンとテモゾロミドの併用療法は、テント上領域の膠芽腫を持つと診断された初発の成人患者で、最大限の腫瘍減量手術と、標準的な化学療法を併用した放射線療法の完了後の治療が適応となっています。
米国で再発性GBMを治療する場合、オプチューンは化学療法後に脳のテント上領域で組織学的または放射線学的に再発が確認された後の治療が適応となっています。オプチューンは単独療法で使用され、手術または放射線療法の選択肢が尽きた後のGBMに対する標準薬物療法の代替となることを目的としています。
欧州連合とスイスにおいてオプチューンは、初発のGBM患者の治療で、手術および放射線療法とテモゾロミドの併用補助療法後の、テモゾロミド維持療法との併用が適応となっています。治療は18歳以上の成人患者を対象とし、手術および放射線療法とテモゾロミドの併用補助療法から4週間以上経過後に開始されなければなりません。治療はテモゾロミド維持療法と同時かテモゾロミド維持療法の中止後に施すことが可能です。
欧州連合とスイスにおいてオプチューンは、再発性GBM患者の治療で、原疾患に対する手術、放射線療法、テモゾロミド療法の後に疾患が進行した場合の使用も適応となっています。治療は18歳以上の成人患者を対象とし、最後に受けた手術、放射線療法、化学療法から4週間以上経過後に開始されなければなりません。
日本においてオプチューン(NovoTTF-100Aシステム)は、テント上領域の再発性膠芽腫を持つ成人患者の治療で、可能なあらゆる手術および放射線療法の選択肢が尽きた後、単独もしくは他剤との併用でも使用が承認されています。
患者はオプチューンの使用に当たり、同装置の使用につき適切なトレーニングを受けた医師の監督を受けなければなりません。完全な処方情報につきましてはwww.optune.com/safetyをご覧ください。米国の場合は1-855-281-9301(無料)までお電話で、欧州連合の場合はsupportEMEA@novocure.comまで電子メールでお問い合わせいただくこともできます。
ノボキュアについて
ノボキュアはジャージー島に拠点を置くオンコロジー企業として、TTフィールドと呼ばれる固形癌の新規治療法を切り開いています。ノボキュアの米国での拠点は、ニューハンプシャー州ポーツマスとニューヨーク州ニューヨークにあります。さらに、ドイツ、スイス、日本にも拠点を置き、イスラエルのハイファには研究センターを有しております。当社の詳細につきましては、www.novocure.comをご覧いただくかwww.twitter.com/novocureで当社をフォローしてください。
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