東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵)が、2008年より調査・発表している「Global Power
City
Index」(GPCI)の2015年版がまとまりましたのでお知らせいたします。本ランキングは世界の主要40都市を対象に、都市の総合力を評価している日本初のランキングで、国や東京都の政策評価指標としても活用されています。
2015年版の総合ランキング上位に大きな変動はなかったものの、今年も総合ランキング1位となったロンドンは、2012年のオリンピック以降着実にスコアを伸ばしており、2位ニューヨークとの差を更に広げています。東京の総合ランキングは、2008年の調査開始以降8年連続の4位となりましたが、5位のシンガポールがスコアを上げ、東京との差をますます縮める結果となりました。
2015年版のポイント
ロンドンは2012年オリンピック開催以降、総合ランキング1位を維持し、スコアも伸ばし続けている
総合力が非常に高い都市であるといえる
- 経済分野では、GDP成長率など複数の指標でスコアを上げ、昨年の4位から2位となった。
- 調査開始以来1位を維持し、他都市を大きく引き離している文化・交流分野では、ロンドンは今年も海外からの訪問者数、国際コンベンション開催件数、買物の魅力などの指標で順位を上げ、その強みをより強固なものにしている。
- 2012年のオリンピック以降も長期的視点による都市づくりが継続しており、今後も人口が増加すると予測されているロンドン。その都市総合力をどこまで伸ばすのかが注目される。
東京は文化・交流分野の順位を高めるも、総合ランキングでは8年連続の4位に留まる
- 文化・交流分野では、海外からの訪問者数が681万人から887万人へ増加した他、留学生数、食事の魅力、外国人居住者数などの指標が東京のスコアを押し上げ、6位から5位へと上昇した。しかし、トップ3都市と比較すると、海外からの訪問者数、ホテル総数、美術館・博物館数、外国人居住者数等において依然として大きな開きがあり、文化・交流分野は、東京の総合順位上昇の鍵を握っているといえる。
- 交通・アクセス分野では国際線直行便就航都市数、国際線旅客数が依然として低水準にあり、東京の弱みとなっている。
- 東京は2020年に開催される東京オリンピックに向けて、都心部での再開発の加速や国際空港の発着枠拡大が見込まれており、現在抱える弱みを強みに変えることができれば、総合順位の向上が期待できる。
アジアでは、シンガポールと香港が大きく上昇。上位の都市で二極化の傾向が鮮明になりつつある
- シンガポール(5位)と香港(7位)が大きくスコアを向上させた。シンガポールと東京のスコア差は年々縮小しており、4位の東京を急速な勢いで追い上げてきている。
- かつて勢いを誇った上海(17位)と北京(18位)は、これまでの順位上昇を牽引していた経済のスローダウン等によりスコアを落とし、順位を下げた。
詳細:http://www.mori-m-foundation.or.jp
ランキングの作成方法
世界の都市総合力ランキング(GPCI)では、6分野(経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセス)それぞれにおいて、主要な要素を表す「指標グループ」を設定し、さらにそれらを構成する指標を70選定した。各指標をスコア化した上で、指標グループのスコアを算出し、分野別ランキングを作成した。分野別総合ランキングは、それらを総合して作成した。
一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所とは
森ビル株式会社の寄付により設立された財団法人において、グローバルな視点からの“都市戦略研究”に取り組むことを目的に2008年に設置された研究所。世界の都市を対象に、都市空間のみならず環境・社会・政治・経済など様々な角度から都市の現状や将来に関する調査研究を行い、成果は世界に向けて発信している。