オアシスは花王の公式声明に抗議し、指名委員会に対して株主との対話を要求

(証券コード: 4452 JT)

  • 花王はオアシスとの対話において、依然として誠意のない対応を続けている
  • 花王は適切な役員選任プロセスを経ず、例年より2か月も早く取締役候補者を発表
  • 花王の主張は市場の誤解を招いている
  • 花王はオアシスと建設的な対話を拒んでいる

詳細情報は www.ABetterKao.com をご覧ください。

香港--()--(ビジネスワイヤ) -- オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」)は、花王株式会社(4452 JT)(以下「花王」または「同社」)の株式を5%以上保有するファンドの運用会社であり、同社の最近の声明に対して強く抗議します。同社の主張は、花王がオアシスと実施したとする対話(エンゲージメント)の内容について誤解を生じさせ、2025年定時株主総会(以下「株主総会」)を前に、同社におけるコーポレート・ガバナンスの重大な問題点から目を背けさせようとしています。花王の一連の対応は、同社のガバナンスの重大な欠陥、不十分な透明性、株主に対する説明責任の欠如を体現しています。

花王の取締役会を強化するべく、極めて優秀で実力のある独立取締役候補者をオアシスから提案したにもかかわらず、花王の指名委員会は実質的な対話および選任プロセスに関する明確な説明を怠っています。花王が突如として、2025年に開催される株主総会に向けて、例年よりも2か月も早く取締役候補者が発表しているのは、こういった株主による提案に対して、適切な検討を行うことを意図的に回避しようとしているように見えます。

さらに、取締役会から執行へ大幅な権限委譲を行うとした昨今のガバナンス改革に関しても、未だ限定的な説明しかなされていません。このような透明性の欠如は、非効率的な株主とのエンゲージメントや一貫性のないコミュニケーションと相まって、花王のガバナンスや長期的な企業価値向上に向けた取り組みの信憑性を著しく損なうものとなっています。

1. 花王はオアシスとの建設的な対話を放棄

オアシスは2024年11月初旬に花王の指名委員会に対して、独立社外取締役として検討に値する優秀な取締役候補者を提案しています。

オアシスは、花王の取締役会によるガバナンスの不備を強く非難します。

  • あまりにも遅い返答:オアシスが社外取締役との面談を要請してから花王の返答を得るまで実に2週間かかり、その際に大株主であるオアシスに対し、同社が提示した面談日程は2か月も先でした。その間、オアシスは社外取締役候補者として検討すべき人材の匿名プロフィールを花王に提案しました(11 月 5 日)が、この提案に対して同社の指名委員会が回答するまでには約 3 週間を要しました(11 月 22 日)。その後、オアシスが取締役候補者とすべき人材の履歴書を同社に提出すると、その4営業日後には花王から取締役候補者の選任に関する発表がなされました(12 月 2 日)。
  • 誠意を欠くエンゲージメント:花王の指名委員会委員長は、役員選任プロセスが「進行中」である(11 月 22 日)とし、オアシスに対して候補者の名前と経歴を提示するよう要求しました。オアシスが2 営業日後(11 月 26 日)にこれらを提示したにもかかわらず、花王はその 4 営業日後には取締役候補者の選出を公表(12 月 2 日)しました。同社の取締役候補者の公表は、オアシスが2か月前から予定していた指名委員会委員長との面談(12 月 5 日)の 実に3 日前でした。
  • 矛盾した主張:花王はデイブ・マンツ氏の退任決定に際して、取締役候補者を通常より2か月早く公表したと主張しています(12月12日)。しかし、オアシスが花王と面談した際(12月5日)に、指名委員会はデイブ・マンツ氏の退任が公表前倒しの理由であったとは一切言及しませんでした。一部役員の退任により役員選任プロセスを前倒しで開始したことは、株主から提案された取締役候補者に対して十分な検討を行うこととは何ら無関係であり、これらの候補者について適切な選任プロセスを経ず、例年より2か月も早く取締役候補者の公表を行ったことは正当化できるものではありません。

オアシスとの対話において、花王が如何に不適切な対応を続けてきたかについて、主な経緯は本リリース表1にてまとめた通りです。

2. 時系列を追うと花王が建設的な対話を放棄していることは明らか

花王が2024年12月12日に公表したプレスリリースには以下の通り記載されています。

今年度は、候補者選定に半年以上の時間をかけて取締役会と取締役・監査役選任審査委員会で議論し、オアシス・マネジメントから取締役候補者の提案がある前に内定を決議しておりました。

(出所:花王、2024年12月12日付プレスリリースー強調オアシス)

オアシスは花王に対して11月初旬に、同社指名委員会による検討のため5名の独立した取締役候補者を推薦したい旨を伝えました。これに指名委員会が回答するまでに約3週間を要しており、書簡にて同社は「先行して進んでいる選任審査のプロセスもありますので、緊急性を要するご提案であれば、速やかに取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会宛てに、具体的な候補者のご提案を頂きたく存じます」と回答しています。(強調オアシス)

これに対しオアシスは、取締役候補者とすべき人材の履歴書を2営業日後である11月26日に提出しました。しかしながら、花王からその後の連絡はなく、突如として12月2日に同社取締役会長が株主総会に向けて選出した取締役候補者を公表しました。

過去の開示資料を遡ると、花王は少なくとも過去10年間にわたって、毎年2月の第1週、通期決算の発表と同時に取締役候補者を公表していました。しかし、オアシスが同社指名委員会に独立取締役候補者を推薦した今年に限り、花王は例年よりも2か月早く候補者を公表しています。花王は通常よりも早いタイミングで候補者を公表することで、株主が推薦した独立取締役候補者について実質的な検討を行うことを意図的に回避しており、株主からの意見に耳を傾けることを拒絶しているとオアシスは考えます。

花王は、取締役兼執行役員のデイブ・マンツ氏が2024年12月に退任予定であることや、同氏が株主総会まで取締役会に留まることを理由に、例年よりも早い取締役候補者の公表を正当化しようとしました。しかし、オアシスと指名委員会の面談において、いずれの委員も候補者公表時期の変更理由としてマンツ氏の退任を挙げていませんでした。加えて、取締役は3月にならないと選任されないことを踏まえれば、同氏の退任は役員選任プロセスを通常よりも短縮させ、株式市場に対して早急な開示を要する十分な理由にはなりません。

最後に、花王はオアシスが12月10日17時(日本時間)に大量株主報告書を提出してから1時間半が経過して初めて、オアシスが推薦した独立取締役候補者に連絡を取ったとのことです。

表1. オアシスと花王のエンゲージメントの経緯

日付

事象

2024年

10月9日(水)

オアシスが指名委員会委員長である篠辺氏宛の書簡をメールにて送付。花王社外取締役との面談設定を要請

10月25日(金)

指名委員会委員長である篠辺氏宛よりメールを受領。当初のオアシスの面談依頼から2か月先にあたる2024年12月5日を提示

11月5日(火)

オアシスが指名委員会宛の書簡をメールで送付。オアシスが取締役候補者として推薦する5名の略歴を提示し、12月5日に予定されているオアシスとの面談より前に、同社指名委員会がこれらの候補者と面談するよう要請

11月22日(金)

 

花王がオアシスに対し「先行して進んでいる選任審査のプロセスもありますので、緊急性を要するご提案であれば、速やかに取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会宛てに、具体的な候補者のご提案を頂きたく存じます」と返答

11月26日(火)

オアシスが花王の要請に応じて、独立取締役候補者として推薦する人材の詳細な履歴書を花王に対して提出

11月28日(木)

12月5日に予定されている面談に先立ち、オアシスから花王に対してプレゼンテーション資料を送付

12月2日(月)

花王が例年より2か月も早いタイミングで取締役候補者を公表。オアシスに対し、役員選任プロセスの大まかな概要のみを説明

12月5日(木)

面談にて

例年より早く候補者公表に至った理由について、花王の指名委員会は面談にて「公表することが重要だと感じた…、花王から候補者として推薦しうる、選任プロセスの途上にある人は他にいない」(英語に通訳された内容を和訳)と説明

12月10日(火)

日本時間 17:00

オアシスが大量保有報告書を提出

12月10日(火)

日本時間 18:25

花王の指名委員会は、オアシスの大量保有報告書提出後に初めて、オアシスが取締役候補者として推薦した5名に連絡

3. 花王の声明は株主の誤解を招く

オアシスは、花王が今まで以上に高い成長性および高い収益性を実現する企業へと変革するため、取締役会の強化に資する独立取締役候補者5名を推薦したい旨を11月初旬に通知しています。しかし、花王は 12 月 12 日のプレスリリースで自ら「オアシス・マネジメントから取締役候補者の提案がある前に内定を決議しておりました」と公表しています(出所)。これは、11 月 22 日にオアシスに対して指名委員会委員長が「進んでいる選任審査のプロセスもあります」と発言したことと完全に矛盾しています。

これは、花王が株主に対して今まさに誤解を生じさせるような説明をしているか、11月にオアシスに対して誤解を招く発言をしたかのどちらかと言わざるを得ず、いずれにせよガバナンスに不備があることは明らかです。

4. 花王の全ての株主に対する呼び掛け

オアシスはこれからも「より強い花王」というビジョンに沿って、花王の持続可能な成長を促進するべく、同社経営陣および取締役会と建設的なエンゲージメントに尽力してまいります。しかし、今後花王の潜在的な価値を引き出し、株主との信頼関係を構築するにあたっては、同社の重大なガバナンス体制の欠陥に対処せねばなりません。

株主の信頼を取り戻し、実効力のあるリーターシップを発揮するために、花王は直ちに取締役会とガバナンスの強化のための施策を打ち出さなくてはなりません。これには、株主との建設的な対話に専念した上で、花王の戦略、業績、取締役会構成に対する株主の期待を十分に理解し、これらの期待に応えていくことが含まれます。

花王が次の株主総会に向けて発表した取締役候補者では、これらの課題に対処するには不十分であり、よりインクルーシブで透明性のあるアプローチが必要です。

花王の指名委員会は、オアシスが推薦している高い適正と独立性を兼ね備えた取締役候補者を擁立し、株主による選任を呼び掛けることにより、花王の取締役会をさらに強化させる道がまだ十分に残されています。

もし花王の指名委員会が株主の意見を真摯に考慮し、徹底的かつ透明性のある役員選任プロセスを実施した場合、オアシスが推薦している取締役候補者が花王の長期的な成功と持続可能な企業価値向上をもたらす上で最善の選択だと判断することは間違いありません。

花王のステークホルダーの皆様からのご連絡はinfo@ABetterKao.com までお願いいたします。また、オアシスからの提案詳細は、www.ABetterKao.comにてご覧いただけます。

オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、国やセクターを問わず、幅広い資産クラスの投資機会に焦点を当てた私募投資ファンドを運用しています。オアシスは、2002年にセス・H・フィッシャーによって設立され、現在は最高投資責任者(CIO)として彼が率いています。 オアシスの詳細については、https://oasiscm.com をご覧ください 。 オアシスは、日本金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則」(日本版スチュワードシップ・コード)を採用し、これに基づき投資先企業を監視し、積極的に関与しています。

本プレスリリース(以下「本文書」といいます)に記載された情報および意見は、オアシス・マネジメント・カンパニー(以下「オアシス」といいます)が、情報提供または参考の目的でのみ提供するものです。本文書は、金融商品取引法に基づく大量保有報告規則の開示義務が適用される特定の会社の株式またはその他の証券に関して、株主がオアシスと共同で取得または譲渡し、議決権その他の株主権を行使することを勧誘したり、求めたりすることを意図したものではありません。議決権を共同して行使する契約を締結している株主は、日本の大量保有報告規則上、共同保有者と見なされ、金融商品取引法に基づき、その株主の保有状況を日本の関係当局に届け出る必要があります。オアシスが共同保有者としてそのような開示義務を負う契約を明示的に締結する場合を除き、オアシスは共同保有者として報告義務を引き起こす行動を取る意図はありません。本文書は、オアシスの意見、解釈、および推定を示すものであり、その他の目的を持つものではありません。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願いいたします。

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OasisAC@ashton.jp

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