大阪、米マサチューセッツ州ケンブリッジ、香港、上海、米ニュージャージー州フローハムパーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(東証:4502/NYSE:TAK)とHUTCHMED(China)Limited(ナスダック/AIM:HCM、HKEX:13)(ハチメッド)は、フルキンチニブの新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)によって優先審査に指定されたと発表しました。フルキンチニブは、治療歴のある成人患者の転移性大腸がん(mCRC)の治療において、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対する選択性の高い強力な阻害薬となる可能性があります。承認されれば、治療歴のあるmCRCの治療薬として、3つのVEGF受容体すべてを標的とする選択性の高い米国初の(かつ唯一の)阻害薬となります。1、2 FDAが指定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2023年11月30日となっています。
武田薬品のグローバルメディカルアフェアーズオンコロジーのヘッドであるアウニー・ファラジャラー(医学博士)は、「フルキンチニブは優良な臨床履歴を示していることから、治療歴のあるmCRC患者さんの治療状況は大幅に変わる可能性があります。米国ではこの病気の治療にかなりのニーズがあり、当社では、患者さんのバイオマーカー状態にかかわらず、フルキンチニブがこうしたニーズに対処できると考えています。できるだけ早く治療に利用できるように、FDAとの協議継続に期待しています」と述べています。
フルキンチニブの新薬承認申請には、臨床第3相FRESCO-2の結果と、中国で実施された臨床第3相FRESCOのデータが盛り込まれるとのことです。FRESCO-2は、米国、欧州、日本、オーストラリアで実施された第3相国際共同臨床試験(MRCT)であり、治療歴のあるmCRC患者にフルキンチニブとベストサポーティブケア(BSC)を併用した群がプラセボとBSCを併用した群と比較検討されました。その結果、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)のそれぞれで、統計学的に有意で臨床的にも意味のある改善が示されました。これまでのところ、フルキンチニブの服用患者は概ね良好な忍容性を示しています。
ハチメッドのR&Dヘッド兼最高医療責任者(CMO)のマイケル・シー(博士)は、「フルキンチニブの臨床上のベネフィットは、国際臨床研究から中国での商品化まで、いくつかの方法で確認されています。中国以外でのフルキンチニブの開発と商品化を推進するパートナーとして武田薬品と組むことができ、大変嬉しく思います。治療歴のあるmCRC患者向けの治療方法は、現在限定的ですが、FDAから優先審査指定を受けたことで、切望される新たな治療法を患者さんに提供するという目標に向けて大きく前進したことになります。同時に、アンメットニーズに悩む世界中の患者さんに役立つ、分化分子を設計・開発するという進行中の構想にも弾みがつきます」と述べています。
フルキンチニブは現在、「ELUNATE®」という商品名で、中国で承認済みです。この承認は、中国国内のmCRC患者416例を被験者として実施されたフルキンチニブの第3相FRESCO試験(登録検証試験)の結果に基づくもので、2018年6月に『The Journal of the American Medical Association(JAMA)』で結果が公表されています(NCT02314819)。3 2023年3月にハチメッドと武田薬品は、中国国外でフルキンチニブの開発、商品化、製造を国際的に推進するための独占ライセンス契約を締結 しました。
フルキンチニブについて
フルキンチニブは、VEGFR1/2/3に対する高い選択性を有する強力な経口阻害薬です。VEGFR阻害薬は腫瘍血管の新生を阻止するうえで極めて重要な役割を果たします。フルキンチニブは、標的外毒性を最小限に抑え、忍容性を改善し、より一貫した標的範囲を提供することを目的に、キナーゼ選択性が向上するように設計されました。これまでのところ、服用患者は概ね良好な認容性を示しており、他の抗がん剤との併用療法が検討されています。
FRESCO-2について
FRESCO-2試験は、米国、欧州、日本、オーストラリアで実施された第3相国際共同臨床試験であり、治療歴のあるmCRC患者にフルキンチニブとベストサポーティブケア(BSC)を併用した群が、プラセボとBSCを併用した群と比較検討されました。 過去に発表されたとおり、mCRC患者のうち、標準化学療法と関連する生物学的製剤の投与後に進行したか、TAS-102および/またはレゴラフェニブの投与後に不耐を示した691例で、主要評価項目であるOSの改善を達成しました。さらに、重要な副次評価項目であるPFSでも統計的に有意な改善を達成しました。これまでのところ、フルキンチニブの服用患者は概ね良好な忍容性を示しています。結果の要旨は、2022年9月に欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology、略称「ESMO」)で発表されました。4 試験の詳細な内容については、clinicaltrials.govをご確認ください(識別番号:NCT04322539)。
大腸がん(CRC)について
大腸がんは、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、大腸がんは世界で3番目に多いがんであり、2020年における死亡者は93万5000人に達しています。5 米国では、2023年に15万3000人が大腸がんと診断され、5万3000人が大腸がんにより死亡すると推定されています。6 欧州では、2020年に大腸がんは2番目に多いがんとなり、新規罹患者は約52万人、死亡者は24万5000人を記録しています。日本では、大腸がんは最も多いがんの一種であり、2020年の新規罹患者数は14万8000人、死亡者数は6万人と推定されています。5 早期の大腸がんは外科的切除が可能ですが、転移性大腸がん(mCRC)は依然として予後不良で治療選択肢が限られており、満たされないニーズが高い領域です。転移性大腸がんの一部の患者は、分子特性に基づいて個別化治療戦略からベネフィットを得られる可能性がありますが、治療選択に有用な遺伝子変異が認められない腫瘍を持つ患者がほとんどです。7、8、9、10、11
武田薬品について
武田薬品工業株式会社では、人々の健康向上と、世界の未来を明るくすることに活動の重点を置いています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域と事業分野において、革新的な医薬品の発見・実現に向けて取り組んでいます。躍動的で多様なパイプラインを通じて、パートナーと共に患者の体験を改善し、未開拓の新たな治療法を切り拓くことを目指しています。武田薬品は、日本に本社を構える研究開発(R&D)主導型バイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、患者、従業員、地球への貢献を活動指針としています。約80の国・地域で働く当社の従業員は、目的意識を原動力に、2世紀以上にわたり会社のアイデンティティを形成してきた価値観に根ざして行動しています。詳細は、www.takeda.comをご覧ください。
ハチメッドについて
ハチメッド(ナスダック/AIM:HCM、HKEX:13)は商業化段階のバイオ薬品を扱う革新的企業です。がんや免疫系疾病を治療するため、標的療法や免疫療法の創薬、および世界的開発・上市に力を入れています。グループ企業全体で約5000人いる従業員の中心となるのが、約1800人のオンコロジー/免疫疾患チームです。創業以来、自社開発したがん治療薬候補を世界中の患者に届けることに専念しており、最初の3つの腫瘍治療薬が中国で承認、市販されています。詳細な情報は、www.hutch-med.comにアクセスするか、同社のLinkedInをフォローしてください。
武田薬品に関する重要な注意事項
この注意事項において、「プレスリリース」とは本文書、口頭でのプレゼンテーション、質疑応答セッション、およびこの発表に関して武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)が説明または配布する書面または口頭の資料を指します。本プレスリリース(口頭の要旨および当該要旨に関連する質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、有価証券の購入その他の取得、申し込み、交換、売却その他の処分の申し出、案内、もしくは勧誘、または投票もしくは承認の勧誘を意図するものでなく、これら行為に該当、相当することもこれら行為の一部となることもありません。本プレスリリースは、株式その他の有価証券の公募手段ではありません。米国において有価証券の募集は、米国1933年証券法(改正法を反映)に基づき登録される場合、または登録が免除される場合を除いて一切行われません。本プレスリリース(および受領者に提供される場合がある追加情報)は、受領者が情報提供目的に限定して使用すること(かつ、投資の評価、買収、処分、またはその他の取引の目的で使用しないこと)を条件に提供されます。上記制約に従わない場合、適用証券法に違反する場合があります。武田薬品が直接または間接的に投資する企業は別の法人ですが、本プレスリリースでは武田薬品およびその子会社全般に言及するために、「武田薬品」が便宜的に使用される場合があります。同様に「当社」という単語も子会社全般または子会社のために働く人物に言及するために使用されることがあります。これら表現は、単体企業または複数の企業を具体的に特定することに有用性がない場合にも使用されます。
武田薬品の将来の見通しに関する記述
本プレスリリースおよび本プレスリリースに関連して配布される資料には、武田薬品の将来の事業、将来の位置付け、および業績に関する見積もり、予測、目標、および計画など、将来の見通しに関する記述、要約、または意見が記載される場合があります。将来の見通しに関する記述には、多くの場合、「目標とする」「計画する」「確信する」「希望する」「継続する」「期待する」「目指す」「意図する」「請け負う」「~となる」「~かもしれない」「~べきである」「~だろう」「可能性がある」「予測する」「見積もる」「推定する」もしくはその他の類似表現、またはこれらの否定形が使用されます(これらに限定されません)。こうした将来の見通しに関する記述は、次に挙げるものを含めた多数の重要要因に関する前提(想定)に基づいており、実際の結果が当該記述によって明示または暗示された内容と大幅に異なる原因となる可能性があります。武田薬品の国際事業を取り巻く経済状況(日本経済と米国経済の概況を含む)、競争上の圧力と進展、適用法規の改正(国際医療改革を含む)、新製品の開発に内在する課題(臨床試験成功の不確実性、規制当局の決断とその時期を含む)、新製品・既存製品の商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、金利と為替レートの変動、市販製品や製品候補の安全性または有効性に関する苦情や懸念、新型コロナウイルス感染症の蔓延などの医療危機が武田薬品やその顧客、サプライヤー(武田薬品が操業する外国の政府を含む)または他の事業面に及ぼす影響、合併後に被合併企業を統合する活動の時期と影響、武田薬品の事業活動にとって重要でない資産の処分能力と処分のタイミング、武田薬品の最新年次報告書(20-F)および武田薬品が米国証券取引委員会に提出するその他の報告書(武田薬品ウェブサイト:https://www.takeda.com/investors/sec-filings/またはwww.sec.govで入手可能)に明記されるその他の要因。武田薬品は本プレスリリースに記載される将来の見通しに関する記述、または武田薬品が提示する可能性がある他の将来の見通しに関する記述について、法律または証券取引規則で義務付けられる場合を除き、更新を保証しません。過去の実績は将来の業績の指針となりません。また、本プレスリリースに記載される武田薬品の実績または声明が、武田薬品の将来の業績の指針となる可能性も、見積もり、予測、保証、推定に該当することもありません。
ハチメッドの将来の見通しに関する記述
本プレスリリースには、米国1995年私的証券訴訟改革法の「セーフハーバー」条項の意味の枠内における将来の見通しに関する記述が記載されています。これらの将来の見通しに関する記述には、将来の事象に関するハチメッドの現時点での期待が反映されています。例えば、大腸がん治療薬としてのフルキンチニブ新薬承認申請のFDAへの提出および提出のタイミング、大腸がん患者の治療薬としてのフルキンチニブの効能、適応症および他の適応症を対象とするフルキンチニブのさらなる医薬品開発に関する期待が挙げられます。将来の見通しに関する記述にはリスクと不確実性が伴います。こうしたリスクと不確実性の例として次の項目に関する前提(想定)が挙げられます。臨床研究の時期と結果、および米国や他の国・地域(欧州、日本など)における大腸がん患者または他の適応症患者の治療薬としてフルキンチニブ新薬承認申請の承認を裏付ける臨床データの十分性、迅速承認または何らかの形で規制当局から承認を得る可能性、フルキンチニブの有効性と安全性プロファイル、フルキンチニブの臨床試験のさらなる進展と商品化計画に則した資金調達、実行、および履行能力、これら事象の時期、ライセンス契約の各当事者が契約条件を満たす能力、フルキンチニブの臨床試験または規制当局の審査の開始、時期、進行に影響する規制機関の措置、武田薬品がフルキンチニブの開発、商品化に成功する能力、新型コロナウイルスのパンデミックが経済全般、規制および政治の状況に及ぼす影響。また、一部の試験ではフルキンチニブと共に、パクリタキセルなどの他の医薬品の併用が必要になるため、こうしたリスクや不確実性には、これら医薬品の安全性、有効性、供給、規制承認の維持に関する前提(想定)も含まれます。こうした将来の見通しに関する記述には、次の項目に関する記述が含まれます(これらに限定されません)。ライセンス契約に基づくフルキンチニブの開発および商品化計画、ライセンス契約に基づき必要となる可能性のある支払い(前金、所定の中間払い、特許権使用料の支払いを含む)、ライセンス契約の潜在的ベネフィット、ハチメッドの戦略、目標、予想されるマイルストーン、事業計画、重点。これらの将来の見通しに関する記述は、現時点における状況のみに言及するものであるため、既存投資家および投資家候補はこれら記述を過度に信頼しないように注意してください。上記リスクや他のリスクに関する詳細な説明については、米国証券取引委員会、AIM、および香港証券取引所へのハチメッドの提出書類を参照してください。ハチメッドは、本プレスリリースの記載情報を更新する義務も改定する義務も負いません(更新・改定事由が新たな情報の出現、将来の事象や状況、その他によるものかどうかを問いません)。
武田薬品の医療情報
本プレスリリースには、一部の国で販売されていないか、別の商標、適応症、用量、薬効で販売されている製品に関する情報が含まれています。本プレスリリースには、開発中のものも含め、処方薬の勧誘、販売促進、広告とみなされる内容は含まれていません。
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1 Xu X他、大腸がんの第3次治療薬としてのレゴラフェニブおよびフルキンチニブの効能と安全性:ナラティブレビュー。Transl Cancer Res 2022;11(1):276-287. doi: 10.21037/tcr-20-3539
2 Sun Q他(2014年)、フルキンチニブの発見、がん治療の強力で選択性の高いVEGFR1/2/3小分子阻害薬チロシンキナーゼ、 Cancer Biology and Therapy. 2014 15:12, 1635-1645. Doi: 10.4161/15384047.2014.964087
3 Li J、Qin S、Xu RH他。他治療歴のある転移性大腸がん患者におけるプラセボと比較したフルキンチニブの効能:FRESCOランダム化臨床試験。JAMA. 2018;319(24):2486-2496. doi:10.1001/jama.2018.7855.
4 Dasari NA他、LBA25 – FRESCO-2:難治性・転移性大腸がん患者におけるフルキンチニブの有効性および安全性を評価する第3相国際共同臨床試験(MRCT)。 Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. 10.1016/annonc/annonc1089.
5 Sung H他、2020年世界のがん統計:GLOBOCAN、185か国における36部位のがんの世界推定罹患者数と死亡者数。CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660
6 Siegel RL他、大腸がん統計、2023年[出版前にオンラインで公表、2023年3月1日]。CA Cancer J Clin. 2023;10.3322/caac.21772. doi:10.3322/caac.21772
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8 D'Haene N他、大腸がん患者の標的次世代シーケンシングの臨床応用:ベルギーでの多中心性症例。Oncotarget. 2018;9(29):20761-20768. Published 2018 Apr 17. doi:10.18632/oncotarget.25099
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