米デラウェア州ウィルミントン & 東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- インサイト(Nasdaq:INCY) は本日、選択的線維芽細増殖因子受容体(FGFR)阻害剤であるペマジール®(ペミガチニブ)が、FGFR1融合を伴う骨髄/リンパ性腫瘍(8p11骨髄増殖症候群としても知られる)に対する治療として日本の厚生労働省より承認されたと発表しました。MLNは、骨髄性細胞、すなわち骨組織の過剰産生を特徴とし、急性骨髄性白血病(AML)へと急速に進行する傾向を持つ希少な悪性がん種です。
インサイト・アジアのグループバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるローター・フィンケは、次のように述べています。「MLNに対するペマジールを厚生労働省が承認したことは、この希少疾患を持つ日本の患者さんに治療選択肢を提供する可能性がある重要な前進です。日本のMLN患者さんに、この最初で唯一の承認薬をお届けすることは、MLNという、世界で罹患数が100人未満と推定される極めて稀な疾患のように、患者集団の大小にかかわらず、極めて重要な未充足ニーズに対する解決策を見つけるというインサイトの約束を示すものです。」
今回の承認は、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄/リンパ性リンパ性腫瘍患者41人を対象に、ペマジール13.5mgを1日1回連続的または断続的に経口投与し、ペマジールの安全性と有効性を評価した多施設共同非盲検単群第2相FIGHT-203試験のデータに基づいています。主要評価項目としての治験責任医師判定による完全奏効率は62.5%(95% CI:45.8 - 77.3)でした。連続投与集団における完全奏効率は66.7%(95% CI:46.0 - 83.5)でした。ペマジールを投与された患者に認められた最も一般的な副作用は、高リン血症(70.7%)、脱毛症(56.1%)、下痢(43.9%)、口内炎(43.9%)でした。
ペマジールは、これまで厚生労働省から、「希少疾病用医薬品指定」(ODD)(5万人未満が罹患し、医療ニーズが高い希少疾患を治療するための治験用化合物に与えられる)を受けています1。また、指定された希少疾病用医薬品は、できるだけ早く臨床現場への供給を確保するため、優先的に製造販売承認審査を受けることができます1。ペマジールは胆道がんの一種である胆管がんでもODDを取得しており、今回の厚生労働省によるODD指定は厚生労働省による2番目の指定となります。
FGFR1再構成型MLNは、FGFR1遺伝子が存在する染色体(8 番染色体短腕11領域:8p11)が切断され、他の染色体の断片(遺伝子)と融合する染色体異常(転座)により生じる非常に希少な血液がんの一種です。さまざまなパートナー遺伝子がFGFR1チロシンキナーゼを構成的に活性化させ、細胞の増殖や生存に影響を与えます。これらのがんは、臨床症状により、骨髄増殖性疾患や骨髄異形成症候群と診断された場合の慢性期と、急性白血病と診断された場合の急性期に大別されます。予後は不良であり、治癒や長期寛解の可能性があって現時点で利用できる治療法としては同種造血幹細胞移植が唯一の選択肢と見なされていますが、標準治療は確立されていません。
FIGHT-203について
FIGHT-203は、線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)再構成を有する18歳以上の骨髄/リンパ性腫瘍(MLN)患者を登録した第2相多施設共同試験です。インサイトがスポンサーとなった本試験では、FGFR1再構成を有するMLNの成人をペミガチニブで治療して、その安全性と有効性を評価しました。患者は、ペミガチニブ13.5mgの1日1回、21日サイクルの投与を、連続投与(FGFR1再構成を有するMLN患者への使用で承認済みの推奨開始用量)または断続投与(14日投与、7日休薬、FGFR1再構成を有するMLNにおける未承認投薬計画)のいずれかで受けました。ペミガチニブは、病勢進行または許容できない毒性が現れるまで、あるいは患者が同種造血幹細胞移植を受けることができるようになるまで投与されました。本試験の詳細情報については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03011372 をご覧ください。
ペマジール(ペミガチニブ)について
ペマジールは米国で、治療歴があり、FDA承認の検査法によって線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)遺伝子の融合またはその他の再構成が検出された切除不能の局所進行性/転移性胆管がんの成人患者の治療を適応とするキナーゼ阻害剤です9。本適応に対する承認は、全奏功率と奏功期間に基づき、迅速審査により付与されたものです。本適応の承認の継続には、確認試験での臨床的利点の検証と説明が条件となる可能性があります。
ペマジールはまた、FGFR1再構成を有する再発性/難治性の骨髄/リンパ性腫瘍(MLN)の成人患者の治療薬として米国で使用が認められた初の標的治療薬です。
ペマジールは日本で、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合遺伝子を有する切除不能な胆道がん(BTC)を持ち、がん化学療法後に病状が悪化している患者の治療薬として、またFGFR1再構成を有する骨髄/リンパ性腫瘍(MLN)の治療薬として承認されています。
ペマジールは欧州で、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)遺伝子の融合または再構成を有する局所進行性/転移性胆管がんに罹患し、少なくとも1ラインの全身療法後に進行した成人の治療薬として承認されています。
ペマジールは、FGFRのアイソフォーム1、2、3に対する強力で選択的な経口阻害剤で、前臨床試験ではFGFR変異を持つがん細胞に対する選択的な薬理活性を示しています。
ペマジールは米国・欧州・日本でインサイトが販売しています。インサイトはイノベント・バイオロジックスに対し、中国本土、香港、マカオ、台湾での血液がんを含む腫瘍領域でペミガチニブを開発・販売する権利をライセンスしました。米国外でペミガチニブを開発・販売するその他の権利はすべてインサイトが留保します。
また欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR2)融合/再構成を有し、少なくとも1種類の全身療法による治療後に病勢進行した局所進行性/転移性胆管がんの成人患者の治療薬としてのペミガチニブの条件付き市販承認を勧告する肯定的意見を発出しています。
ペマジールはインサイト・コーポレーションの商標です。
インサイトについて
インサイトはデラウェア州ウィルミントンに拠点を置く世界的なバイオ医薬品企業として、専有的な治療薬の創薬・開発・商業化を通じ、未充足の極めて重要な医療ニーズに対するソリューションの発見に傾注しています。インサイトの詳細情報についてはIncyte.comをご覧いただき、@Incyteをフォローしてください。
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社の詳細情報についてはIncyte.jpをご覧ください。
将来見通しに関する記述
本プレスリリースに記載されている事項は、歴史的な情報を除き、ペマジールがFGFR1再構成を有する骨髄/リンパ性腫瘍の患者を治療するための選択肢として成功する可能性があるかどうかを含め、予測、推定、その他の将来見通しに関する記述を含んでいます。
これらの将来見通しに関する記述は、インサイトによる現時点の予測に基づくものであり、リスクや不確実性の影響を受けます。それらのリスクや不確実性は、実際の結果が大きく異なる場合の原因となり得ます。それらのリスクや不確実性には、予期しない展開やリスクとして、予期しない遅延、今後の研究開発および臨床試験の結果が失敗となるか適用される規制基準を満たしたり開発継続を正当化するのに不十分であったりする可能性、臨床試験に十分な人数の患者を組み入れる能力、諸決定(米国FDA、日本の厚生労働省、その他の規制当局によるもの)、協業相手との関係へのインサイトの依存、インサイトの製品および当社提携先製品の有効性と安全性、インサイトの製品および当社提携先製品の市場での受容、市場競争、販売・マーケティング・製造・流通の要件、予想を上回る経費、訴訟または戦略的活動と関連した経費、2022年12月31日締め年度に対する年次報告書を含め、インサイトが証券取引員会に提出した報告書に随時詳述されたその他のリスクなどがあります。インサイトは、これら将来見通しに関する記述を更新する意図と義務を一切否認します。
免責事項
本プレスリリースに記載された医薬品の情報は、インサイトの企業情報開示を目的としたものであり、開発中の医薬品を含むいかなる製品についても、その広告や販売促進を意図するものではありません。
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1 希少疾病用医薬品・医療機器指定の概要。厚生労働省。https://www.mhlw.go.jp/english/policy/health-medical/pharmaceuticals/orphan_drug.html
2 ペマジール(ペミガチニブ)[添付文書]。デラウェア州ウィルミントン:インサイト、2020年。
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