カリフォルニア州アーバイン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- キュリオンは、原子力及び有害廃棄物の分野でイノベーションをおこして参りましたが、この度、トリチウム含有水からトリチウムを除去する技術(MDS。特許出願中)を導入致しました。トリチウムはこれまで除去が極めて困難であった核種であることから、今回の技術導入は、まさに技術革新といえます。トリチウムを除去した水は、安全に、環境に放出し、または、原子炉冷却水として再利用することが可能です。本技術は、世界中で利用されているPWR型の原子力発電所に適用することが可能です。
トリチウムの除染は、極めて困難です。これは、トリチウム(三重水素)が、水素そのものであり、水中に含有されて、水そのものとなるからです(H2OではなくHTOとなります)。それゆえ、トリチウムは、従来の商用技術では水から除去することが極めて困難です。これは、通常の放射性物質が、水中で溶解し、または、溶けずに浮遊する場合と異なり、トリチウムの場合、水分子の水素そのものが三重水素とおきかわることによる汚染であるためです。この結果、トリチウム含有水は、とりわけ処理が難しく、環境に放出された場合には、容易に、拡散いたします。
「トリチウムの環境への放出を防ぐことは、原子力業界における最後の技術的な壁といえるでしょう。キュリオンの特許出願中のトリチウム除去技術のポイントは、環境にトリチウムを放出する場合と比べ、コスト面で現実的な代替案を提供することにあります。これにより、原子力は、クリーンなエネルギーに近づくでしょう」とキュリオンの最高経営責任者のビル・ギャロは言います。
「トリチウムを経済的に除去する技術は今までございませんでしたので、原子力発電所は、これまで、トリチウムを環境に放出せざるを得ませんでした。キュリオンのトリチウム除去技術は、環境にトリチウムを放出することに対する一般の方々への不安に対して、技術革新による代替案を提示することができます」とキュリオンの創業者で社長のジョン・レイモントは言います。
CANDUと呼ばれるシステムに見られるように、従来、トリチウムの除去は、「重水」からトリチウムを除去し、原子炉に再利用することに主眼が置かれて来ました。従来技術は、重水ではなく、水(軽水)からトリチウムを除去しようとした場合、莫大なコストを必要としました。キュリオンのMDSシステムは、重水用のトリチウム除去技術の上に構築され、水(軽水)からのトリチウム除去も可能です。トリチウム除去の処理量および効率におけるイノベーションにより、世界ではじめて、加圧水型原子炉(PWR)の冷却水について、水からトリチウムを除去し、この水を冷却水として再利用し、または、浄化した後に、環境に放出することが可能となったと考えられます。
KURIONについて
KURIONは、プロジェクトのパフォーマンスとコンプライアンスを向上させ、顧客の放射性廃棄物管理ライフサイクルコストを大幅に低減するため、容易に展開できるイノベーション・技術を提供します。KURIONは2008年に創立され、エネルギー分野の大手投資家であるLUX CAPITAL、FIRELAKE CAPITAL MANAGEMENT、ACADIA WOODS PARTNERSの投資を受けています。カリフォルニア州アーバインを拠点とし、テネシー州オークリッジの放射性物質認可施設で技術開発センターを運営し、ワシントン州リッチランドで試験、機器の保管、エンジニアリングおよび「低温」非放射性試験のための2つの施設を運営し、ワシントン州リッチランドのPNNLで「高温」放射性試験を実施しています。詳細については、WWW.KURION.COMをご覧ください。