ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--（ビジネスワイヤ）-- シティの委託により作成されたエコノミスト・インテリジェンス・ユニット（EIU）の最新調査レポートによれば、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールが競争力において世界の主要120都市のトップ3となっています。本日発表されたレポート「ホットスポット」は、世界の都市を資金、事業、人材、観光客を集める能力で比較し、都市の競争力のランクづけを行ったものです。
シティのビクラム・パンディット最高経営責任者（CEO）は、次のように述べています。「都市は豊かさと革新の原動力です。当社は、その潜在能力を最大限引き出すために各都市との協力に尽力しています。しかし資金、人材、事業の獲得を都市間で競い合っているため、競争力とは単なる成長ではないということを当社は認識しています。当社では、市場競争力の理解を深め、今後数十年間で成長、機会、人材が集まる都市を見つけ出すために、このレポートを委託しました。このレポートの調査結果は、当社がサービスを提供している世界の都市の顧客、企業、自治体に価値ある洞察を提供します。」
EIUの世界的予測担当ディレクターのレオ・アブルツェーゼは、次のように述べています。「経済的活力は各地で間違いなく上昇しており、特にアジアの都市で顕著です。しかし、長く培ってきた強みを持つ米国と欧州の都市も競争優位性を維持しています。特に、こうした大都市は世界各地からトップレベルの人材を確保する力に長けています。」
ホットスポットでランクづけされた120都市は、合計約7億5000万人の人口を持ち、世界経済のおよそ29%を占め、2011年の国内総生産（GDP）合計は20兆2400億米ドルです。
レポートで世界で最も競争力のある都市トップ10にランクされた都市は、ニューヨーク（1位）、ロンドン（2位）、シンガポール（3位）、パリと香港（共同4位）、東京（6位）、チューリヒ（7位）、ワシントンDC（8位）、シカゴ（9位）、ボストン（10位）です。
世界都市競争力指数
ホットスポットのために、EIUは8種の競争力カテゴリーにわたる31個の独立した指標で都市の競争力を測定する「世界都市競争力指数」を開発しました。カテゴリーには経済力、人的資本、制度の有効性、金融の成熟度、世界的な訴求力、物的資本、社会的・文化的特徴、環境・自然災害リスクが含まれます。指数における都市の総合ランキングは、各カテゴリーを重み付けして算出したスコアに基づいています。
すべてのカテゴリーでトップを占める都市はなく、天津（経済力）、ダブリン（人的資本）、チューリヒ（金融の成熟度と制度の有効性で共同1位、文化的特徴）、バンクーバー（物的資本で共同1位）、ロンドン（世界的な訴求力）、モントリオール（環境・自然災害リスク）のように、8つのカテゴリーのそれぞれで異なる都市が1位となっています。
調査で判明した主要項目は、以下の通りです。
先進国の都市が持つ最も顕著な長所は、世界トップクラスの人材の確保と能力開発に長けていることです。欧州と米国の都市は指数の人的資本カテゴリーで優勢となっており、老朽化するインフラや多額の財政赤字にも関わらず、資本、事業、人材、観光客を集め続けています。西欧の都市にとっては、長く培ってきた強みと世界との結びつきを活用することが、急速に成長している新興国の都市に対抗して打ち勝つための鍵となるでしょう。
- 上位30位に入る欧州の都市は、ロンドン（2位）、パリ（4位）、チューリヒ（7位）、フランクフルト（11位）、ジュネーブ（共同13位）、アムステルダム（17位）、ストックホルム（共同20位）、コペンハーゲン（共同23位）、ウィーン（共同25位）、ダブリン（27位）、マドリード（28位）の11都市です。
- 上位30位に入る米国の都市は、ニューヨーク、ワシントンDC（8位）、シカゴ（9位）、ボストン（10位）、サンフランシスコ（共同13位）、ロサンゼルス（19位）、ヒューストン（共同23位）、ダラス（共同25位）、シアトル（29位）、フィラデルフィア（30位）の10都市です。
アジアの経済的台頭はアジア諸都市の経済競争力に反映されています。最も重み付けが大きいカテゴリーの「競争力」では、上位20位にアジアの都市が15都市含まれており、そのうち12都市が中国の都市です。天津、深セン、大連が上位に入り、ほかに9都市が20位以内にランクされています。上位20位に入る他のアジアの都市は、シンガポール（15位）、バンガロール（16位）、アーメダバード（19位）、ハノイ（共同20位）です。アジアの上位32都市はすべて、現在から2016年まで毎年最低5%の成長が見込まれており、そのうちの12都市は最低10%成長すると予測されています。
中規模都市の「中間層」が、世界的成長の主要な推進力として台頭しています。多くの企業が経済先進国と新興国の大都市をターゲットとしていますが、総合的に急成長しているのはアブダビ、バンドン、大連、杭州、ハノイ、プネ、青島、スラバヤなど人口200～500万人の中規模都市の中間層です。事実、人口1000万人を超える23の巨大都市の中で、経済力カテゴリーの30位以内に入っているのはわずか9都市です。こうした中規模都市は全体として今後5年間に毎年8.7%の成長が予測されており、多くの企業が注力している巨大都市の成長率を上回っています。
インフラ整備への投資が新興国の成長を推進していますが、将来のための人材を集める力を確保するには、それだけでは不十分です。今後数十年間における新興国の緊急の課題の1つは、高層ビル、鉄道網やその他のインフラの発展だけに注力するのではなく、将来のための人材を引き寄せて開発する能力として不可欠な教育、生活の質、個人の自由などのソフト面にも重点を置くことができるかにあります。競争力のこうした面に取り組むことで、ブエノスアイレス（60位）、ヨハネスブルク（67位）、ケープタウン（73位）などの中南米とアフリカの都市は、速やかにランクを上げることができるでしょう。
200年にわたり、経済発展の支援がシティの使命の中核を成してきました。世界に拠点網を有するシティは、世界的な取引と資本の流れの中心で事業を展開し、顧客を世界へ結びつけています。1000都市以上に拠点を持つシティは、都市環境の複雑性に関して独自の視点を有しています。シティ・フォー・シティーズやその他のイニシアチブを通じて、シティは世界各地の顧客や公共セクター・民間セクターのパートナーと協力し、公共事業の強化、商業の促進、金融包括の拡大、デジタル、モバイル、カード技術の推進に取り組んでいます。
リサーチについて：
方法論や基準の詳細を含むレポート全文は、www.citiforcities.comでご覧いただけます。
シティについて：
シティは、約2億の顧客口座を有し、世界の160以上の国・地域で事業を営む世界有数のグローバルな金融サービス企業です。個人向け銀行・クレジット業務、法人向け銀行業務、投資銀行業務、証券仲介、トランザクション・サービス、富裕層向け財産管理など、さまざまな金融商品・サービスを、消費者、企業、政府、各種機関向けに提供しています。詳細については、www.citigroup.com。
シティ・フォー・シティーズについて
シティ・フォー・シティーズは、世界中でシティの最高の知識を活用して都市の効率化を実現させるイニシアチブです。そのために、商業と近代化を促進するための資金調達を支援し、市民が豊かで暮らしやすい生活を送るためのサービスを利用できるように力添えします。シティが目指しているのは、1つの都市を動かす重要なエコシステムの全体に及ぶ壮大な目標を諸都市が達成できるように支援することで、そこには、行政、道路交通、通関港、エネルギーと公益事業、職場と教育、健康と安全、再生と発展などが関わってきます。シティと諸都市との関わりは、公共セクター・民間セクター、金融セクター、市民、地元コミュニティーに及びます。詳細については、www.citiforcities.comをご覧ください。
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