バイオジェン・アイデックとアボットが、再発寛解型多発性硬化症に対するダクリズマブHYPの最初の登録制臨床試験から得られた肯定的なトップライン結果を発表

SELECT試験は年率換算再発率の有意な抑制を示し、主要なセカンダリーエンドポイントを達成

完全なデータは近く予定されている医学会議で発表予定

米マサチューセッツ州ウェストン&イリノイ州アボットパーク--()--(ビジネスワイヤ) -- バイオジェン・アイデック(NASDAQ: BIIB)とアボット(NYSE: ABT)は本日、SELECT試験で得られた肯定的なトップライン結果を発表しました。SELECTは登録制の世界的な第2B相臨床試験で、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)患者について1年間にわたり医薬品候補化合物の高収率合成ダクリズマブ(DAC HYP)を評価することを目的としていました。試験結果では、4週間に1回皮下投与したDAC HYPが年率換算再発率を有意に低下させることが示されました。プラセボ群と比較した1年後の再発率が用量150 mg群では54パーセント(p< 0.0001)、用量300 mg群では50パーセント(p=0.0002)抑制されました。DAC HYPは150 mg群と300 mg群でセカンダリーエンドポイントを達成し、8週目から24週目におけるガドリニウム増強(Gd+)病変の累積数(69%および78%)、1年後の新規ないし新たに拡張したT2強調病変の数(70%および79%)、再発患者の割合(55%および51%)が統計的に高度に有意な減少を示しました。またDAC HYPは1年後における生活の質についても改善の傾向を示しました。

SELECT試験はさらに三次的エンドポイントとして、拡大障害状態尺度(EDSS)により測定した障害進行度に対するDAC HYPの効果も調べました。試験結果は、1年後における障害の持続的進行のリスクがプラセボと比較として用量150 mg群で57パーセント、用量300 mg群で43パーセント、DAC HYPによって低減することを示しました。現在、追加分析が行われており、両社は近く開催予定の医学会議で詳細なデータを発表できると考えています。

バイオジェン・アイデックの研究開発部門執行副社長のDoug Williams博士は、次のように述べています。「DAC HYPの素晴らしい試験結果は、これまでの臨床データととともに、多発性硬化症治療のための新しい有望なアプローチとして本候補化合物の研究を進める当社の活動を支えるものです。月1回の皮下投与という利便性を持つDAC HYPは、強力な効果特性とあいまって、MS患者にとって魅力的な選択肢となる可能性を持っています。当社は第2の登録制臨床試験となるDECIDEにおいて、SELECTの結果の裏付けを得たいと考えています。」

アボットのグローバル製薬臨床開発部門バイスプレジデントのEugene Sun博士は、次のように述べています。「この結果は、多発性硬化症の新しい治療選択肢の開発に向けての歩みを一歩前進させてくれるものです。多発性硬化症は、今後も患者に対する新しいアプローチの必要度が高い医療分野です。SELECTのデータの追加分析の結果が手に入り、近く開催予定の科学フォーラムでその結果を完全な形で発表できることを心待ちにしています。」

SELECT試験における有害事象と治療中止の総発生率は、すべての治療群で同等でした。重篤感染症(2%対0%)、重篤な皮膚関連事象(1%対0%)、正常値上限の5倍以上高い肝機能検査値異常(4%対<1%)は、DAC HYP治療群でプラセボ群よりも多く発生しました。SELECTでは、重篤な皮膚有害事象から回復中の患者1名が腰筋腫瘍の合併症によって死亡し、進行中の用量盲検延長試験(SELECTION)では自己免疫性肝炎の疑いで1名が死亡しました。これらの事象にDAC HYPが寄与した可能性は排除できませんでした。

DAC HYPについては、SELECTのほかにDECIDEと名づけられた第3相登録制臨床試験が始まっています。DECIDEは現在患者の募集を行っています。DECIDEでは、2~3年の治療期間において単剤療法としてDAC HYPを月1回皮下投与した場合の有効性と安全性をインターフェロンベータ1-a療法と比較して評価します。

SELECTについて

SELECTはグローバル、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、期間1年、用量範囲探索試験で、RRMS患者600名におけるDAC HYPの安全性と有効性を確認することを目的としています。試験ではDAC HYPの2種類の用量(4週間ごとに150 mgまたは300 mg)を評価し、試験完了率はすべての治療群で90パーセントを超えました。プライマリーエンドポイントはRRMS患者の1年後における年率換算再発率の抑制とされました。セカンダリーエンドポイントは、8週目から24週目における新規ガドリニウム増強(Gd+)病変の累積数の抑制、1年後の新規ないし新たに拡張したT2強調病変の数の抑制、再発患者の割合の抑制、さらにRRMS患者の1年後の生活の質の改善とされました。追加的なエンドポイントとして、DAC HYPの安全性と忍容性も評価されました。

DAC HYPについて

高収率合成ダクリズマブ(DAC HYP)はダクリズマブの皮下投与製剤であり、MSの最も一般的な形態であるRRMSの治療を目的とする治験薬です。DAC HYPはCD25に結合するヒト化モノクローナル抗体です。CD25はMSのような自己免疫疾患で異常に活性化すると考えられるT細胞上に高レベルで発現する受容体サブユニットです。過去の臨床試験から得られたデータでは、DAC HYPがCD56bright NK細胞を増加させることが示されています。この細胞は一般的な免疫細胞の枯渇をもたらすことなく、MSにおいて主要な役割を果たす活性化免疫細胞を標的とします。

バイオジェン・アイデックについて

バイオジェン・アイデックは神経障害に焦点を当てながら、先端科学を駆使して重篤疾患の治療に向けた薬剤の発見、開発、製造、販売を行っています。1978年創立のバイオジェン・アイデックは、独立したバイオテクノロジー企業として世界で最も長い歴史を持っています。世界中の患者が当社の多発性硬化症治療薬から恩恵を受け、当社の年間売上高は40億ドルを上回ります。製品表示、プレスリリース、および当社に関する詳細情報については、www.biogenidec.comをご覧ください。

バイオジェン・アイデックのセーフハーバー声明

本プレスリリースは、新しいMS治療薬の開発についての記述を含む将来見通しに関する記述を含みます。それら記述は「信じる」、「期待する」、「可能性がある」、「計画する」、「予定する」などの言葉やそれらに類する表現により識別できる場合があり、当社の現時点の考えや予想に基づいています。医薬品の開発は高度のリスクを伴います。実際の結果が当社の現在における予想と大きく異なる場合の原因となり得る要因としては、追加的なデータないし分析から予期しない問題が生じるリスク、規制当局が追加情報を要求するリスク、規制当局がいずれかの潜在的な新しい治療薬を承認しないリスク、当社が予期しないその他の障害に直面するリスクが含まれます。当社の医薬品開発その他の活動と関連したリスクおよび不確実性に関する詳細情報については、当社が米国証券取引委員会に提出した最新の年次または四半期報告書、その他の報告書の「リスク要因」の項目をご覧ください。いかなる将来見通しに関する記述も本プレスリリースの日付現在のもので、当社は将来見通しに関するいかなる記述も更新・公開する義務を一切負いません。

アボットについて

アボット(NYSE: ABT)は、ヘルスケア分野で幅広く活動する世界的企業です。栄養剤、機器、診断薬を含め、医薬品と医療製品の発見、開発、製造販売に携わっています。当社は約9万人の従業員を擁し、世界130カ国以上で営業活動を行っています。

アボットのニュースリリース、その他の情報については、当社ウェブサイトのwww.abbott.comをご覧ください。

写真とマルチメディア・ギャラリーはこちらをご覧ください: http://www.businesswire.com/cgi-bin/mmg.cgi?eid=6823993&lang=ja

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