米カリフォルニア州ミッションビエホ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 放射線被ばくによる酸化的ストレスと炎症、それに続く組織損傷シグナリングカスケードを低減する新規クラスの広域触媒的抗酸化物質を開発するバイオ製薬企業のアイオロス・ファーマシューティカルズ(OTC: AOLS)は本日、米国保健福祉省(HHS)の一部局である生物医学先端研究開発局(BARDA)から、急性放射線症候群(ARS)の亜症候群性肺疾患に対する対抗医薬品(MCM)としてのAEOL 10150を対象とする高度開発の契約を獲得したと発表しました。
実費プラス定額報酬に基づく本開発契約の条項に従って、アイオロスは初年の基本履行期間に1040万ドル、さらにBARDAがオプションを行使した場合に追加で最大1億750万ドル、つまり契約総額として最大1億1800万ドルを受け取ることになります。肺性ARSに対するMCMとしてのAEOL 10150の開発費をすべてカバーする以外にも、当社では、BARDAとの契約が、腫瘍分野の適応症で必要となる前臨床の化学・製造・品質管理(CMC)、毒性研究、さらにヒトを対象とする大規模な安全性研究に関連する経費を実質的にすべてカバーするものと考えています。戦略的国家備蓄(SNS)によるAEOL 10150の調達は、米食品医薬品局による承認を取得次第、あるいは緊急時使用許可(EUA)を受けた場合には直ちに実施されることになるでしょう。当社の開発計画に従って、EUA申請書は約2年6カ月の準備を経て政府に提出する予定です。調達が実施された場合の調達額は、本リリースで発表した契約額には含まれません。
アイオロス・ファーマシューティカルズの最高経営責任者(CEO)兼社長を務めるジョン・L・マクナマスは、次のように述べています。「私たちはこの重要プログラムでBARDAの支援をいただき非常にうれしく思っています。肺性ARSに対処する有効な対抗医薬品を開発する上で、高度に生産的な関係に期待しています。今回の契約によって、当社は対抗医薬品としての10150の開発を加速することが可能となり、また重要な点として、放射線療法と併用される腫瘍分野の適応症でも10150の開発を拡大することができるでしょう。二重用途性、効果の広域性という特性により、AEOL 10150は非常に独自の魅力的な化合物として極めて有望な潜在力を持っていると、私たちは確信しています。」
AEOL 10150は現在、米国立衛生研究所(NIH)国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の対放射線・核種医薬品開発プログラムにおいて胃腸管に対する放射線被ばくに対処するための対抗医薬品として、またNIHのCounterACTにおいて塩素ガスおよび硫黄マスタードガスに対するばく露に対処するための対抗医薬品としても研究されています。
アイオロスはHHS-BARDA、メリーランド大学、デューク大学、ジョンソン・マッセイ・ファーマ・サービシズ、アルバニー・モレキュラー・リサーチ、シンビオン・リサーチ・インターナショナルと提携し、この総合的開発プログラムに取り組むことができ、うれしく思っています。ARSの亜症候群性肺疾患を適応症とするAEOL 10150の開発から新薬承認申請(NDA)までは、約5年を要するものとみられます。
当社は2011年第1四半期から腫瘍分野においてAEOL 10150の第1相臨床試験を開始する計画です。
急性放射線症候群(ARS)について
被ばく直後における急性放射線症候群を構成する最も重要な症状は、造血(骨髄)症候群と早発型胃腸(GI)症候群ですが、その理由はこれらの症状が極めて早く発症し、致死的だからです。しかし、被ばくのレベルと場所によっては、造血症候群と早発型胃腸症候群の致死性はいずれも、支持療法(輸液剤と抗生物質)とニューポジェンを含む適切な治療によってかなり回避できる可能性があります。後で晩期反応組織に発症して重大な問題を引き起こす合併症は残ります。
被ばく事故の状況において、当初は全身被ばく量が10Gyを超えると死亡が避けられないと考えられていました。しかし、核事故被害者の経験は、患者が胃腸症候群と骨髄症候群を生き抜く場合、呼吸器疾患が死亡の主な原因になることを示しています。この効果は急性放射線被ばくの遅延効果(DEARE)として知られています。
がんの放射線療法について
米国がん学会によれば、がんは米国において疾患による死亡の原因として2番目に多く、4人1人ががんで亡くなっています。北米放射線学会によれば、がん患者の約50~60パーセントが発症中の何らかの時期に放射線療法を受けています。NIHの推計では、米国の2008年度におけるがん費用は計2281億ドルで、うち932億ドルが直接的な医療費用、188億ドルが間接的な罹病費用(疾患を原因とする生産性損失費用)、1161億ドルが間接的な死亡費用(早死を原因とする生産性損失費用)です。
BARDAについて
米国保健福祉省(HHS)の対策準備次官補室が所管する生物医学先端研究開発局(BARDA)は、公衆衛生・医療の緊急事態に対応するため、統合的、体系的なアプローチによって、必要となるワクチン、医薬品、各種治療製品、診断ツールの開発・調達に当たっています。BARDAは対抗医薬品の開発における諸課題に対処するための資金と調整活動を提供するべく創設されました。創設の目的は、先進的な研究開発のための資金を増やし、米国政府による対抗医薬品の開発・取得プロセスをより良く調整することにあります。BARDAは化学・生物・放射性・核物質に対処するための対抗医薬品の調達と高度な開発を含むバイオシールドプロジェクトのほか、バイオシールドプロジェクトの対象範囲外で発生する汎発性インフルエンザ、その他の緊急対処を要する感染症に対処するための対抗医薬品の高度な開発と調達の活動を行なっています。
AEOL 10150について
AEOL 10150は広域効果を持つ触媒的抗酸化物質で、活性酸素種と活性窒素種を中和するよう特別にデザインされています。これら活性種の中和は、放射線被ばくによる酸化的ストレスと炎症、それに続く組織損傷シグナリングカスケードを低減します。当社は、AEOL 10150が腫瘍治療において高線量の放射線に被ばくしたか、これから被ばくする人々に甚大なメリットをもたらすものと確信しています。
AEOL 10150はすでに動物安全性試験で良好な結果を出しており、2件のヒト臨床試験でも忍容性は良好で、放射線誘発急性肺損傷(ALI)モデルにおいて統計的に有意な生存率効果を示しています。現在のところ、AEOL 10150はがん患者を対象に治療・予防薬の両面で使用するための開発も行われています。
アイオロス・ファーマシューティカルズについて
アイオロス・ファーマシューティカルズは、放射線による損傷作用から健康な組織を保護する新規クラスの触媒的抗酸化化合物の開発に当たっています。当社初の化合物であるAEOL 10150は、放射線療法と併用される腫瘍分野の適応症を対象に開発されています。本化合物はまた、化学・放射性兵器に対処するための対抗医薬品として、米国政府の資金提供を受けて開発されており、当初目標とする適応症は急性放射線被ばくに由来する急性放射線症候群および遅延効果に対する防護剤としての効果です。アイオロスの戦略は、AEOL 10150に関する毒性、製造、前臨床・臨床の研究に対する米国政府部局による莫大な投資を活用することで、腫瘍治療に使用できるように同化合物を効果的に開発することです。詳細情報についてはアイオロスの企業ウェブサイトwww.aeoluspharma.comをご覧ください。
本プレスリリースにおける純粋に歴史的事実ではない記述は、将来見通しに関する記述です。そうした記述には、アイオロスの製品候補、当社の専有的な技術と研究プログラム、将来においてFDAに文書提出ないし申請する可能性に関する記述が含まれますが、これらに限定されません。そのような将来見通しに関する記述には既知または未知のリスク、不確実性、その他の要因が関与しており、これらの要因によってアイオロスが実際に出す結果が歴史的結果またはそうした将来見通しに関する記述で明示もしくは含意された結果とは著しく異なる場合があります。結果が異なる場合の原因となり得る重要な要因には、臨床試験と科学研究、製品開発活動の進展とタイミングに伴なう不確実性に関するリスク、開発・試験・薬事承認の取得における困難さないし遅延、前臨床・臨床試験および事業に必要な資金を得る必要性、アイオロスの製品候補、専有技術、それらの使用を対象とする知的財産保護の範囲と有効性、BARDAとの契約に基づく資金の受領、ほかのバイオ製薬企業との競合が含まれます。これらの要因およびその他の要因の一定部分については、2009年9月30日を末日とする年度のフォーム10-Kによるアイオロス年次報告書を含め、米国証券取引委員会に当社が提出した書類にさらに完全な形で記述されていますが、こうした書類は同フォームによる書類に限定されません。読者の方には、発表した日付時点のみにおける見解を表明したこれら将来見通しに関する記述に過度の信頼を置かないよう注意をお願いします。
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