米カリフォルニア州アーバイン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- 放射性廃棄物管理の革新的企業キュリオンは、新たな試作システムでガラス生成の試運転試験数件を完了したことにより、当社のモジュール式ガラス固化システム(MVS®)を発展させる上で節目となる大きな成果を12月に達成したと発表しました。本システムの組み立てと検査は、当社がワシントン州リッチランドに有する新たなMVS®試験施設で実施されました。
本システムの試験では、ホウケイ酸塩ガラスマトリックス中でキュリオンのイオン特殊媒体(ISM)Herscheliteをガラス固化する最大温度1250˚Cで20時間の運転を滞りなく達成しました。この動作温度は、特定の廃棄物ストリームで従来から使用されてきたジュール加熱熔融炉と比べ、廃棄物装荷能が100%高いことを意味します。経済性に影響する熔融速度に関連する指標である流動速度は高く、同じく重要指標となる外部ステンレス製キャニスター表面についても冷却は良好で、目標の650˚C未満と比べて500˚C未満となっています。キュリオンは日本における2011年の地震と津波の後、これと同じHerschelite ISMを使用して、福島第1原子力発電所の損傷した原子炉の冷却に使用された汚染海水から、放射性セシウムの捕捉を行ってきました。
ジュール加熱熔融炉では伝導性や耐火物損耗という問題が制約となって、処理温度の範囲が約1100˚C ±50˚Cと狭く、ガラス形成の選択肢が限られるものの、誘導加熱によるMVS®ではこれらの問題がなく、ガラス形成の制約なしに1100˚C ±500˚Cを超える温度で処理できるという独自性を持っています。結果として、バッチベースのMVS®が提供する傑出した柔軟性によって、流入する供給ストリームの要件に処理性能を適合させることで、試運転を通じて前処理作業を低減し、廃棄物装荷量を増大させることができました。
エンジニアリング規模のMVS®は、実験規模のシステム(画像参照)と比べかなり大規模で、日本や欧州で使用された高レベル廃棄物キャニスターのサイズに近づけることで商業的規模拡大を実証するとともに、当社がPNNLにおける平行検査の支援を受けながら、DOEガイドラインに従った技術成熟レベル(TRL)6を主張することができるものとなっています。TRLのレベル6は商業的実現性を実証するレベルで、政府機関がそれ以上であれば新しい技術を採用(すなわち、ふさわしい環境での試作システムの実証)するための基準となります。
エンジニアリング担当バイスプレジデントであるリチャード・キーナンは、この節目となる大きな成果を達成したチームを称賛して、次のように述べています。「今回の成果は、コンプライアンスを順守しながら安全に放射性廃棄物を固定化して環境から隔離するためのライフサイクルコストを低減すべく、第一級のシンプルな革新的技術の事業に当社が取り組んでいることを反映したものです。」州および連邦の当局者は本施設を訪問しており、本技術が成熟する中で一貫して大きな関心を寄せています。
キュリオンについて
キュリオンは、プロジェクトの実施とコンプライアンスを促進し、顧客が放射性廃棄物管理のライフサイクルコストを大幅に削減できるような革新的で容易に利用できる技術を提供しています。2008年創業のキュリオンは、エネルギー分野の一流投資会社であるラックスキャピタルマネジメント、ファイアーレイク・キャピタル・マネジメント、Acadia Woods Partnersの支援を受けています。キュリオンはカリフォルニア州アーバインに本拠を構え、テネシー州オークリッジにある放射性物質の取扱認可施設で技術開発センターを運営しています。またワシントン州リッチランドの2つの施設で機器保管・エンジニアリング・非放射性物質検査を、同じくリッチランドにあるパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)では放射性物質検査を行っています。詳しい情報については、www.kurion.comをご覧ください。
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